平成30年 定例議会(12月) 平成30年(2018年)横須賀市議会12月定例議会(第1日)
---------------------------------------平成30年11月29日(木曜日
)---------------------------------------出席議員(40名)議 長 木 下 憲 司 副議長 鈴 木 真 智 子 1番 は ま の まさひろ 2番 山 本 けんじゅ 3番 小 室 卓 重 4番 藤 野 英 明 5番 関 沢 敏 行 6番 二 見 英 一 7番 長 谷 川 昇 8番 小 林 伸 行10番 加 藤 ゆうすけ 11番 ね ぎ し か ず こ12番 大 村 洋 子 13番 井 坂 直14番 南 ま さ み 15番 井 口 一 彦16番 田 中 洋 次 郎 17番 土 田 弘 之 宣18番 本 石 篤 志 19番 石 山 満20番 伊 関 功 滋 21番 高 橋 英 昭22番 葉 山 直 23番 加 藤 眞 道24番 杉 田 惺 25番 伊 藤 順 一26番 西 郷 宗 範 27番 渡 辺 光 一28番 大 野 忠 之 29番 松 岡 和 行30番 板 橋 衛 32番 角 井 基33番 永 井 真 人 34番 矢 島 真 知 子35番 嘉 山 淳 平 36番 伊 東 雅 之37番 山 口 道 夫 39番 青 木 秀 介40番 青 木 哲 正 41番 田 辺 昭
人---------------------------------------欠席議員(1名) 9番 小 幡 沙 央
里---------------------------------------出席説明員市長 上 地 克 明 副市長 永 妻 和 子副市長 田 中 茂 市長室長 小 貫 和
昭政策推進部長 井 上 透 総務部長 藤 井 孝 生財政部長 石 渡 修
文化スポーツ観光部長 上 条 浩渉外部長 中 野 愛 一 郎 税務部長 菱 沼 孝市民部長 濱 野 芳 江 福祉部長 濱 野 伸 治健康部長 内 田 康 之
こども育成部長 平 澤 和
宏環境政策部長 加 藤 信 義 資源循環部長 小 川 隆経済部長 上 之 段 功 都市部長 渡 辺 大 雄土木部長 鈴 木 栄 一 郎 港湾部長 服 部 順 一上下水道局長 長 島 洋
上下水道局経営部長 三 守
進上下水道局技術部長 長 谷 川 浩 市 消防局長 佐 藤 正 高教育長 新 倉 聡
教育委員会教育総務部長 阪 元 美
幸教育委員会学校教育部長 伊 藤 学
選挙管理委員会事務局長 野 間 俊
行代表監査委員 小 野 義 博
監査委員事務局長 室 井 二 三
夫---------------------------------------出席事務局員事務局長 井手之上 麻 理 子 総務課長 渡 部 良 次議事課長 小 菅 勝 利 議事課主査 堀 越 裕 子議事課主査 日 下 浩 一 議事課主査 上 嶋 貴 弘議事課主査 渡 邊 将 成
---------------------------------------議事日程 平成30年11月29日午前10時開議第1.一般質問について
---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり
---------------------------------------議長の報告 1 10月29日 監査委員から、
例月現金出納検査の結果(8月分)について、報告を受けた。 2 11月26日 監査委員から、
例月現金出納検査の結果(9月分)について、報告を受けた。 3 11月29日 市長から、議案第127号から第144号までの18件の提出を受けた。 4 11月29日 市長から、報告第41号から第46号までの6件の提出を受けた。 5 11月29日 次の請願を受理した。 平成30年請願第11号 市立うわ
まち病院移転計画の再考及び上町地区の
包括的地域振興対策の検討・策定について (
教育福祉常任委員会に付託) 6 11月29日 次の陳情を受理した。 陳情第10号 臓器移植の環境整備を求める意見書の提出について 陳情第11号 安全・安心の医療・介護の実現及び
夜勤交代制労働の改善を求める意見書の提出について 陳情第12号 介護従事者の労働環境改善及び処遇改善の実現を求める意見書の提出について 陳情第13号 県への私学助成の拡充を求める意見書の提出について 陳情第14号 後期高齢者の
医療費窓口負担見直しの中止及び原則1割負担の継続を求める意見書の提出について (以上5件、
教育福祉常任委員会に送付) 陳情第15号 横田進入管制区の返還を求める意見書の提出について (委員会に不
送付)--------------------------------------- 午前10時00分開会
○議長(木下憲司) これより平成30年市議会定例会12月定例議会を開きます。 ただいまから本日の会議を開きます。 本日の
会議録署名議員に、長谷川昇議員と松岡和行議員を指名します。 議長の報告は朗読を省略します。 本定例議会の議会期間は、本日より12月14日までの16日間とします。 これより議事日程に入ります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(木下憲司) 日程第1.一般質問を行います。 質問を許可します。小室卓重議員。 〔小室卓重議員登壇、拍手〕
◆3番(小室卓重) おはようございます。
神奈川ネットワーク運動の小室卓重です。 11月も、きょうはその2日を残すところですが、今月は
児童虐待防止推進月間です。厚生労働省は2004年から、
児童虐待防止法が施行された11月を
児童虐待防止推進月間と定め、取り組みを行っています。 また、
NPO法人児童虐待防止全国ネットワークは、
オレンジリボンを象徴に年間を通して啓発活動を行っています。 11月は終わろうとしていますが、児童虐待防止、すなわち子育ち・子育てを社会が見守っていくことは、11月に限るものではありません。子どもは社会の宝です。これからも日々、子どもの命と人権を守り、子育てを楽しめるまちづくりをしていかなければなりません。 今回も以下子育ち・子育てにかかわる質問をしてまいります。 まず最初に、学校図書館について教育長に伺います。 国の第5次
学校図書館図書整備等5か年計画が2017年度にスタートし、1年半が過ぎました。計画の中では、学校図書館の果たす役割について、以下のように述べられています。 まずは、学校図書館の3つの機能についてです。 1つ目は、児童・生徒の読書活動や児童・生徒への読書指導の場である読書センターとしての機能。2つ目は、児童・生徒の学習活動を支援したり、授業の内容を豊かにして、その理解を深めたりする学習センターとしての機能。そして、3つ目は児童・生徒や教職員の情報ニーズに対応したり、児童・生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成したりする情報センターとしての機能です。 また、これからの学校図書館には、新学習指導要領が求める主体的・対話的で深い学び、
アクティブ・ラーニングの視点からの学びを効果的に進める基盤としての役割も期待されています。 そして、学校図書館がこれらの機能を一層発揮するためには、図書館資料の充実と司書教諭及び学校司書の配置充実やその資質能力の向上の双方が重要であるとされています。 さて、横須賀市では、小学校においては23名の学校司書を全46校に配置していますが、どのような効果が出ているでしょうか。お尋ねします。 一方、中学校においては、今年度より4名の学校司書が8校の中学校に配置されました。 学校司書の仕事は、学校図書館における、図書館資料を収集し、分類ごとに配架すること、照会、相談といった
レファレンス業務、図書館の使い方指導、調べ学習のサポートなど、主に司書教諭が担当しない分野を受け持ちます。そのため、学校司書が配置されていない中学校では、司書教諭がこれらを行わざるを得ません。司書教諭は司書業務専任ではなく、担任を持っていたり、教科の授業があったりしますから、負担が大きい上、せっかく購入した本の書架への配架が滞るとも聞いています。 配架の遅滞について、教育委員会では状況を把握しているのでしょうか、お尋ねします。 図書の購入に当たっては何を買うのかを選ぶことも大変な仕事です。授業に必要な本や生徒に読んでほしい本を選んでリストをつくり、蔵書とのダブりがないかを確認し発注します。納品後は1冊1冊に
コーティングフィルムをかけ、背表紙に日本十進分類法の3桁の
分類番号ラベルを張るなどして、配架の準備が整います。配架されなければ、生徒が本を手に取ることはできません。 2017年度の調査では、1カ月に本を1冊も読まない割合、いわゆる不読率は横須賀市の中学生では42.8%です。ちなみに、全国平均は15%です。 中学校では、昼休みが短く、放課後は部活がありますし、学校図書館が校内の外れにあることが多いですし、そもそも学校図書館が常時あいているのは、23校中1校ですから、生徒はなかなか本を手にする機会に恵まれません。 学校司書の配置により、購入本の速やかな配架と生徒への周知、開館時間の拡大で学校図書館や読書が生徒にとって身近なものとなると考えますが、教育長のお考えはいかがでしょうか。お尋ねします。 不読率もさることながら、教育機会の均等の観点からも、学校司書の全中学校への配置を速やかに行うべきと考えます。 本年3月定例議会での土田議員の質問に対し、教育長の御答弁は、「中学校生活は昼休みが短かったり、部活動など放課後の活動が日常的にあるなど、小学校とは異なる面がありますので、学校図書館の運営にどのように学校司書を活用することが効果的なのか、または授業における活用も含め、検証が必要だと考えております。このため、市内を4つのエリアに分け、拠点校を8校位置づけ、近隣の中学校との連携も含めて、研究として取り組んでまいります」とのことでした。また、中学校全校に学校司書を配置する考えの有無については、「学校司書を配置し、学校図書館の活用と読書活動の推進を図ることは、確かな学力の育成や豊かな人間性を育むことが期待できると考えております。小学校との共通点、相違点も踏まえた上、中学校における配置の効果を検証しつつ、効果的な配置を目指して計画的に取り組んでまいりたいと考えております」とおっしゃっています。
学校司書配置以前の2012年度から2015年度の4年間は、一部の小・中学校に司書業務を行う
図書館コーディネーターを配置した実績があります。その検証はされたのでしょうか、お尋ねします。 学校図書館があいているかあいていないかということや、不読率云々ということも大切ではありますが、学校司書がいることで
アクティブ・ラーニング、主体的で対話的な深い学びの環境を整えることができるということこそ、大事なのだと思っています。
アクティブ・ラーニングを行える学校と行えない学校があって、よいとは思えません。計画的に取り組むという前回の教育長の御答弁がありましたが、第3次愛読プランでは2021年度の目標として、学校図書館が常にあいている中学校を8校としていることから、この年度までは学校司書を増員しないように受け取れますが、そのような計画なのでしょうか。お尋ねします。 2014年の
改正学校図書館法では、学校司書を置くよう努めなければならないとしていますし、国は1.5校に1人の予算をつけています。優先順位を上げて速やかな全校配置をすべきと考えますが、教育長のお考えはいかがでしょうか。お尋ねします。 次に、各愛らんどに子育て支援のための
図書コーナーを設置する必要について、伺います。 横須賀市では、
ブックスタート事業を行っています。2002年から市内6カ所の
健康福祉センターでのBCGの接種にあわせ、絵本2冊やブックリストをプレゼントするとともに、読み聞かせをしています。就学・就園前から本に親しむことは、親が子どもに読んであげること、それと反対に子どもが親に読んであげたり、読んであげるまねをしたりと、親子の
コミュニケーションが図れ、愛着形成につながります。 子どもと2人きりでいると、何をしていいのかわからないとの声を聞くことがありますが、絵本が
コミュニケーションツールとなることは間違いありません。
ブックスタートはすてきな事業だと思っています。 一方、子育て中は自分のために本を読む時間もままなりません。しかし、読書はリフレッシュにもなりますし、子育てに関する本を読むことで、不安の解消になることもあります。 愛らんど追浜には、中央図書館からの団体貸し出しを利用した
らんらん文庫があり、愛らんどを利用するゼロ・1・2歳児用の絵本と子育て中の方に役立つ本を置いています。先月は
らんらん文庫から40冊を貸し出しています。 図書館では、子ども連れで大人の本を選ぶのは大変です。
らんらん文庫の存在は、相談対応にも活用でき、これを読んでみたらとお勧めすることができています。各愛らんどはそれぞれ広さの違いなどもありますので、現場とよく御相談の上、可能なところでは子育て支援の拡充として
らんらん文庫のような
図書コーナーを置いてはいかがでしょうか。市長のお考えをお聞きします。 次に、
放課後児童クラブに係る従うべき基準を堅持することについてです。
放課後児童クラブについて、国は従うべき基準を参酌すべき基準に変更する方針を示しました。
放課後児童クラブ、いわゆる学童保育は2015年にスタートした子ども・子育て支援法にのることで、
放課後児童健全育成事業として初めて制度化されました。 保護者が就業などのために、放課後の時間に家庭が留守である小学生に対し、家庭にかわる放課後の居場所を提供するもので、そこが安心・安全であり、子どもたちの成長・発達にかかわる場所であることは言うまでもありません。 この従うべき基準とは、指導員を支援の単位ごとに2人以上配置するというもので、その指導員のうち1人は保育士や社会福祉士で、かつ規定の研修を修了した
放課後児童支援員であることとしています。 国の示す
放課後児童クラブ運営指針には、その役割として子どもの状況や発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図る、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して、育成支援を推進する、社会資源との連携を図りながら、保護者と連携して育成支援を行うとともに、その家庭の子育てを支援するなどとしており、
保育所保育指針と同様の趣旨です。 小学生の放課後のもう一つのおうちとして、その育ちにかかわり、保護者の相談にも対応します。家庭でも学校でもない場所で、大人との斜めの関係は貴重です。 横須賀市の学童クラブは、この従うべき基準に対し、それを満たすべく多忙な中で研修を受講し、必要な人員を雇用するなどしてきました。また、来年度には初の
公設学童クラブも開設を控えています。従うべき基準が参酌すべき基準になっても、保育の質を保つために市としては基準を堅持すべきと考えますが、市長のお考えをお尋ねします。
○議長(木下憲司) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。 〔
上地克明市長登壇〕
◎市長(上地克明) おはようございます。 まず学校図書館についての計6問の御質問については、御指名のまま教育長から答弁いたします。 私からは、各愛らんどに
図書コーナーを配置する必要性についてです。 本に小さいころから親しむことは、
親子関係づくりに有意義であり、子育て中の保護者が気軽に育児に関する本が借りられる環境は大切と考えます。 愛らんど追浜以外での実施については、図書館から借りてきた本を置くスペースや、本の運搬が必要になりますので、委託事業者の意向を聞きながら検討していきたいと思います。 次に、
放課後児童クラブに係る従うべき基準を堅持する必要性についてです。
放課後児童支援員等の現在の配置基準は、子どもたちの安全面や
放課後児童クラブの運営上大切なものと考えています。今後も子どもたちの安全面が損なわれることのないように、また、
放課後児童クラブの質の低下を招かないように努めてまいりたいと思います。
○議長(木下憲司) 新倉聡教育長。
◎教育長(新倉聡) 私には、学校図書館について御質問をいただきましたので、発言通告に従いまして回答させていただきます。 まず、小学校における
学校司書配置の効果についてですが、平成29年度に行った横須賀市の児童・生徒の読書実態調査によると、本市の小学生の1カ月の
平均読書冊数は、学校司書を全く配置していない平成23年度の4.9冊から、全小学校に配置した平成29年度には7.5冊まで増加しております。 次に、中学校の図書購入に係る配架の遅滞の把握状況についてです。 学校司書が未配置の一部の中学校において、配架の遅滞が生じている状況があることは把握をしております。 次に、中学校への
学校司書配置により、学校図書館や読書が生徒にとって身近なものとなる考えについてですが、さきの
市議会定例議会でも答弁いたしましたけれども、学校司書を配置し、学校図書館の活用と読書活動の推進を図ることは、確かな学力の育成や豊かな人間性を育むことが期待できると考えております。 小学校との共通点・相違点も踏まえた上で、中学校における配置の効果を検証しつつ、効果的な配置を目指して計画的に取り組んでまいりたいと思います。 次に、
図書館コーディネーター配置の検証についてです。 平成24年度に
学校図書館コーディネーターの配置を始め、平成27年度に効果を検証いたしました。その結果を踏まえて、平成28年度から全小学校に学校司書を配置したものであります。 次に、学校司書の配置計画についてですが、学校司書を配置した中学校の効果を検証して、今後の配置につきまして検討していきたいと考えております。 次に、学校司書を積極的に全校配置する考えについてですが、ただいま述べましたように、効果検証をしっかり見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 市長、教育長、御答弁ありがとうございました。 では、初めに
放課後児童クラブのことについてお伺いしたいと思います。 今後も質の低下にならないように努めてくださるということで、大変心強い御答弁をいただいたというふうに思っています。今本市としては国の基準に基づき、条例をつくって、配置などを整えているのですけれども、では、今後も本市はこの条例を変えないで進めていくということでよろしいのでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) これから基本的には変えないでいきたいとは思っているのですが、ただ、従うべき基準から参酌できる基準になるというのは、私は好ましいと思っている。それはなぜかというと、権限が地方団体におりてきているからです。私は
地域主権主義者だから、私たちのほうで判断する、つまり自治体は性善説だと私は思っているから、国が従うべき基準とするのではなくて、我々が参酌すべきです。その意味で、他都市はどうかわかりませんが、少なくとも横須賀に関してはきっちりと現実の中で大変なことにならないように考えなければならないというふうに考えています。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 私もその地域主権というところは、大変大切なところだと思っていますし、今回のこの動きも全国津々浦々を見渡せば、いろいろな事情のところがあるという背景があるのかと思っていますが、それを逆に今までと比べて質を落とすかのようなものを全国に出してきたということがそもそも違うかというふうに思っているのです。横須賀市はやはり今までこの基準でできてきたというか、
皆さん民設民営で、頑張って人も必要な分だけ雇って、研修もきちんと受けるという形で努力をしてきましたので、ぜひとも質が下がらないようにということで期待をいたします。 次に、愛らんどの
図書コーナーについてです。 前回愛らんどに相談室がないということで、質問いたしました。そのときには愛らんどには相談機能があるのに相談室がないのだということで、大変がっかりしたのですけれども、横須賀市の中にもさまざまな相談機能を持つ場所があるところで、愛らんどについては、本当に身近な相談場所という位置づけもあるかと思いますので、ぜひこの
図書コーナーを置くことで相談機能が少しでもよりよくなるようにというふうに思っています。ただし、市長もおっしゃっていただいたように、それぞれ現場の事情というか、面積的なものとかさまざまあると思いますので、ぜひここは各事業者とよくよく御相談の上、前向きに進めていただけたらというふうに思いました。ありがとうございます。 次に、学校図書館について2問目をさせていただきます。 先ほど教育長のほうから、まず小学校において学校司書を配置したことでの効果として、1カ月の
平均読書冊数が4.9冊が7.5冊になったということで、これは大変な成果だというふうに数字があらわしていると思いましたが、
アクティブ・ラーニングというか、そういう授業での利用というか、そういったものについては何か進んでいることはあるのでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 特定的に数値をとるということはなかなか難しいかと思っていますけれども、各学校から図書館等への授業用で必要という冊子、本につきましては、配架、配送ができる形をとっておりますので、授業での活用がされているというふうに理解しております。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 小学校においては授業での活用もされているというような御答弁だったかと思います。これをぜひ中学校のほうでももう少しスピーディーに進まないかというのが、私の今思うところです。 教育長からは今年度配置したばかりなので、検証をしてから計画的にという御答弁でした。先ほどの御答弁、済みません、私が聞き漏らしたのかもわからないのですけれども、
図書館コーディネーターの件について、検証をして、その結果小学校には学校司書を配置したという御答弁だったかと思うのです。この
図書館コーディネーターは中学校にも配置されていたかと思いますが、その中学校については、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 本市の場合には、学校司書が配置される以前に
図書館コーディネーターという制度を先に導入し、読書教育を進めたいと考えておりました。このため、学校司書が法定化される平成27年以前に
図書館コーディネーターを行ってまいりました。この
図書館コーディネーターについては、平成24年度から平成27年度までやっていたかと思うのですけれども、小学校については先ほど答弁させていただいたように、
平均読書冊数が4.9冊だったものが6.5冊まで増加した状況がありました。 一方において、中学校については平成23年2.9冊だったものが2.0冊ということで、1回ここで検証を行った中では、中学校における
図書館コーディネーターの部分で余り成果が見られなかった。ただ、その成果が見られなかった要因というのが、これまで答弁させていただいているように小学生と中学生における学校生活の図書館の利用状況が違うのではないかということがありましたので、まずは小学校の本になじめる世代というのでしょうか、その年代に集中的に投資をすることによって、読書の習慣を身につけさせていこうと。この後、中学校についてもこれまでの経過、何が悪かったのかという部分を、もう一回踏まえてモデル校的な設置を今回させていただいている。この結果を踏まえて、どのような効果が生まれるかというのを見ていきたいというふうに考えているところです。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) それも一つの考え方だと思います。ですが、以前その
図書館コーディネーターを配置していた学校では、図書館の環境がよくなったことが明らかで、実際長沢中学校や鴨居中学校の現状は他校とは明らかに違うと聞いています。 先ほど購入した本が書架になかなか配架されない状況などもあるという現状を申し上げましたけれども、まずは、そういった配架状況など学校図書館が現状として整備されているとは言いがたいという、そこから改善をしていかないことには、今後の中学校においての図書館の利用というのも進まない。まずそこが第一歩、スタートラインなのだというふうに思っています。そのためには学校司書が必要だと考えるわけなのですが、その辺の御認識はいかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 今御指摘いただいているところの根本的なお話において、私自身が理解をしていますのは、本来学校図書館法においては、司書教諭が確実に配置されるという制度がずっとつくられてきたというふうに認識しています。司書教諭は、これは教職員給与法における定数として扱われてきているものですので、本来的にはきちんとした教諭がつき、今おっしゃっているような専任ではあるけれども、主として司書を行うということを想定した学校の制度がつくられていたはずであって、これに対しては、国がきちんとその給与の負担をすべきものとして扱うべきだった。だからこそ、ここを拡充しなければいけなかったところ、教職員定数をふやすことなく、便宜的な対症療法として平成27年度に学校司書という制度がつくられ、一方においてこれは必置義務ではなく、あくまで努力義務とされてしまっているという点が大きな問題だというふうに考えているわけです。 ですから、本来図書を使った教育をどうするかということは、学校教育の本体であるところの正規の教職員をきちんと配置することによって成り立つというふうに理解していますので、便宜的に学校司書を置いて、雑務を行わせるということが目的であってはならないのではないかというふうに思っています。 その意味で、学校司書についても、平成27年度に法定化されながら、その資格要件というものが全く現在も定められていないことに、大きな欠如の意識を持っていますので、単なる配架という事務だけをもって、そのための人員を入れるべきだということとは若干違うのではないかという認識であります。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) おっしゃること本当にごもっともだというふうに思います。 ただ、今教育長がおっしゃられた後半の学校司書が雑務を行うであるとか、ただ配架を行う、私が質問の中でそういったところをかなり取り上げてしまったのがいけないのかもしれないのですけれども、学校司書は必ずしも雑務を行う人ではないし、配架だけを行う人ではないと私は認識しています。何しろ授業で
アクティブ・ラーニングを進めていくに当たり、学校図書館がただの図書室ではない、ただの書庫ではない、本を置いてあるだけの部屋ではなくて、図書館を図書館として利用するための、授業を行う教員たちを助けるためのプロフェッショナルだと私は思っています。 本当に今中学校の教員の方々がお忙しいのは、私も存じております。だからこそここに学校図書館司書を配置することで、そういった部分でも教員の授業の助けにもなるだろうし、ひいてはそれは本当に生徒たちのためになるというふうに思っているのです。ここのところは検証してから計画的にという教育長の慎重な考え方も理解をしますけれども、中学校はたった3年間で、どんどん卒業していってしまうことを考えると、計画的にというところがもう少し前倒しにならないかという思いがあるのですが、その辺の御認識はいかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 議員おっしゃるとおり、教育環境を充実させていかなければいけないことが私どもの使命だというふうには十分思っているところであります。 しかしながら、人手不足ということにこれから直面していく中で、その確保をしていくこと、それなりの資格を持っていらっしゃる方が必要になるということも、十分承知しております。その際にはやはり
アクティブ・ラーニングは、学校司書の方だけが行うということではないし、もともと教員が総体として学校として取り組んでいくべき内容だと思っています。そのために、今配置をしているところでどのような効果なり成果が上がるかによって、初めて導入というのをもう一度考えさせていただきたい。つまりこれまでは本の貸し出しという部分だけに、小学校の場合には一つの成果としてあらわれていますけれども、中学校で前回の
図書館コーディネーター配置のときに、冊数だけで見たならば成果が上がっていない。しかし、同じ成果の判断をするのかということではなく、効果とその検証方法というのは前回の判断だけではなく、新たな効果検証の指標なりを見て考えていきたいというふうに考えているところです。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 近隣市町村の状況などもここでお話をしていきたいと思いますが、学校図書館問題研究会の神奈川県内市町村小・中学校図書館職員配置状況調査というのがあるのですが、2017年9月現在で全校配置を行っているのは33市町村中25になっています。このような状況からも、もう全校配置はある程度当たり前というような状況になりつつあるのではないのかというふうにも思うのですけれども、そういった観点からはどのようにお考えになられますでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 先ほど来私が申させていただいている一番大きなことというのは、本来の学校図書館法で定めるべきは、司書教諭というかつてきちんとした核があって、それをサポートするために学校司書があるのだという位置づけだとすれば、司書教諭がどれだけ働くかというところが1つ大きな話になるかと思っています。 その意味で、司書教諭を助ける学校司書を置くことによってどれだけやはり学習効果に影響を及ぼしているのかということを見なければ、これはあくまで市の単独経費になってしまいますから、無条件で国が言っているから人をつければいいということではなく、本当に効果的に使われているのかどうなのか、そこが大事になってくるというふうに観点的に私は捉えているところです。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 税金の使い方ということを考えれば、そういった見方もできるかと思います。しかし、国のほうも1.5校に1人の予算をつけているということもありますので、ここはやはり人をつけながら、走りながら検証をしていくようなことも、同時並行である程度行っていかなければ、図書館を活用する学校生活、または授業、そういった機会に恵まれないまま3年間を過ごして卒業していってしまう生徒たちもいるかと思うと、そこのところは少し不公平というか、そういった気にもなります。並行して走りながら検証していくということは、どのようにお考えになりますでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 国の財源というところにつきましては、私自身が門外漢かもしれませんけれども、おっしゃっている1.5校に1人という配置単価というのは、具体的な補助金が横須賀市に出ているのではなく、多分地方交付税交付金における単位費用の算定として見られているということをお話しいただいているのではないかと思うのです。そういう意味では、地方交付税交付金というのは地方公共団体共通の財源であって、財源不足のところに配分をする、その基本となる数値の単位費用であって、いわゆる標準財政規模を出すために使っている数値というふうに理解をしています。 これが純粋に加配されて、今までもらっていた上にのっかってきたということではなく、ほかを削り、その部分をただ認めたということになっていますので、ここだけをもって財政当局に交付税措置されているのだから、必ずつけるべきだという、そういう論には多分ならないかと思っています。 その意味では、議員が先ほどおっしゃっていただいたように、事業を展開するためには、いかに効果的にそのお金を使うかということが私たちの使命だとするなら、逆に議会の皆様からはその観点から厳しく指摘を受けてしまう部分があるかと思っています。ですからこそ、より効果的に子どもたちを育てていくために必要な財源をここに投入させていただきたいというふうにこの場で述べさせていただくためには、改めてきちんとした成果として、その効果があるということをお示ししなければ、議会審議としての対応にならないのではないかというふうに思っています。私はずっとやらないと言っているわけではなくて、今回配置をわざわざさせていただいたのは、それこそ全ての前にどのような効果を上げることができるのか、どのような使い方だったら、その成果というか、子どもたちの学力に寄与できるかという点を改めて確認させていただきたい。その成果を持ってこの部分に財政の投入を進めるための期間、時期はどうしても必要なのではないかと思っているところです。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 中学校の図書館が本当に今余り利用されていない。今と言ってしまいましたけれども、自分が中学校のときに図書館、あの当時は図書室と呼んでいたかと思いますが、どこにあったかと思い出そうとしたときに、少し時間がかかりました。確かにあの当時も校舎の中の果てのような、特別教室が入っている建物の最上階の一番奥にあったことを私は思い出しました。夫に聞いたら、思い出しもしませんでした。学校の教室、特別教室の配置等は、それぞれ合理的なものがきっとあるのだろうというふうには思っていますが、しかし、学校図書館を有効に使っていくという観点からすると、学校図書館は生徒の人数に応じた標準の冊数というのが国のほうで決められていまして、それに合わせて本をそろえてくださっています。各学校で生徒の人数が違いますけれども、年間で数十万円ずつということで、新しい本を買っていたりするのです。これが余り使われていないということも、一つは税金の使い方としては大変もったいないことをしていると思いますし、そこに学校司書をつけることで、新しく買った本、新しくでなくてもいいのですけれども、学校図書館の本と学校司書がセットだからこそ、その予算がきちんと、児童・生徒を含め市民に還元されていくということなのだと考えると、やはりここは学校司書を配置するほうが、税金の使い方としては有効なのではないかというふうにも考えられるかと思うのですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 先ほどから答弁させていただいている中で、
図書館コーディネーターを平成24年度から配置してきた中で、3年間実施しながらも図書の読む冊数がふえなかったという事実は、歴然として残ってしまっています。私自身も自分なりに考えた中では、小学校時代はやはり自分の行動範囲、体力等があるから、学校内の図書室の利用が多分多かったかと思っています。それが中学生になりますと、行動範囲が広がることによって、図書館に行って1人じっとしているというよりは、体を動かすということのほうにどうしても集中してしまっている。そういった行為という、子どもが育っていく過程において、図書館の利用率が下がっていくというのも、これは一つ傾向があるのではないかと思っています。だからこそ、図書館がこれからどうしたら利用されるのか、本にもう一度親しんでもらうことができるかということを、まず実地で試していただく、あるいはその効果、それを行っていただいた結果として、ほかの子どもたちにふやしていくということが必要になるだろう。ただ学校司書を学校に配置したから、全てにおいて子どもたちの図書館の利用がよくなるかといったら、人がいるからということだけではなく、その人たちが何をしてくれるか、どのようなことを行うかによって変わってくるのだろうと思っているのです。だとすると、今新たに配置しているところで、そのやり方とか仕組みといったものをどうしたら効果が出るか、どういった方法があるかということを示していただき、それを次に広めていくということがスタンスとして必要なのだろうというふうに思っています。全てにただ置けばいいという、数値ではかって全体があるから、これで事足りたというふうな教育の問題ではなくて、それをどう生かしていくかということのほうが必要だというふうに認識しているので、お金の使い方という意味では、まずそちらから始めさせていただきたいと考えたところです。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 今、全校配置になって小学校の図書館は活性化しているということで、その小学校を卒業して中学生になった生徒たちが中学校の学校生活の時間がタイトな中で、なかなか図書館にも行く時間がないという事実は、それは歴然としたものかというふうには私も思っています。 しかし、だからこそあけること、人を置くこと、身近にすることを積極的にしていく必要があるかとも思っていますし、小学校の図書館がこれほど楽しくいい場所だったのに、中学校に来たらそうではないのだというふうに生徒たちをがっかりさせたくはありません。 また、小学校の学校図書館においては、図書ボランティアの方たちも活躍をしてくださっていて、そのことが小学校の学校図書館を活性化するのに一助になっているとか、大変活躍してくださっているというお話も聞いています。そういったPTA初め保護者の皆さん、ボランティアの皆さんの御希望もある。生徒たちは忙しくて図書館どころではなくなっている事実もあるかもしれない。でも、本当に多くの方々が中学校の図書館にこれからどうするのという期待をされている中、現状では検証して無駄のない計画を立てて行っていくのだという、それは確かにそうなのかもしれないけれども、それがまだ期待として見えていないところに少しがっかり感があるかと思っています。 そういった中、この先中学校の図書館はどうなっていくのだ、また、教育委員会として各学校はどうしていきたいのだというような、せめてビジョンがあれば市民はそこに希望の光を見出すことができるかというふうにも思っています。市民の方に学校に対してがっかりしてほしくないという、皆さん期待をしていらっしゃるので、そういったこの先のビジョンのようなものは、何か教育長のほうでお持ちなのかどうか、そこをお聞きしたいです。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 大変大きなテーマをいただいて、どういうふうにお答えしようかと思っているのですけれども、私は例えばこれからICTが広まり、AIが広まったとしても、いわゆる科学技術が発展していったとしても、一つの考え方としてやはり日本語という言葉をどのようにして理解するか、本の原点にどうたどり着くかということが必要になるというふうに理解しています。 昨今言われている中では、大学生が論文を書くのにコピー&ペーストを使うという形になる、今はICTなどを見れば、さまざまな見解があるのですけれども、それをさまざまに信じていいのかというところになってくると、本来の原点がどこにあったかという原初に戻らなければ確認はとれないのだというふうな認識でおります。 そういう意味で、図書に親しむ、本を読むというところにもう一度戻らなければいけないということは十分認識しているところなのです。けれども、現実的に児童・生徒の中には、現在のICT技術の中でスマホを使えば、あるいはパソコンを使えばすぐに結果が出るというところにたどり着いてしまっている以上、この技術自体も習得させていかなければならない。そこの中では単純に全てに投資ができるという状況ではないところを考えると、どのようにもう一回本に戻ることができるか、それを考えていただくために、今回の中学校の場合にはどういった図書館があるべきなのか、それを見きわめるために今回の配置をさせていただいている。ですから、そこで図書館をやめるということを前提にした配置ではなく、図書館をどう生かすかということのために配置をお願いをし、予算をつけているのだというところ、私が現在言えるのはそういうスタンスだというところを御理解いただければと思います。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) なかなかもう少しスピード感を上げた形での配置というのは、今の教育長のお考えの中にはないのかということはわかりました。が、今の御答弁の中でうれしく思いましたのは、やはり本の大切さというのは共通認識なのだということがわかりました。本当に1冊の本によって人生が変わったりとか、人生の何かのきっかけができたりとかということはあると思います。 また、教育長のおっしゃるように、ITのほうの情報リテラシーというか、そういうことも今の子どもたちに教えていかなければいけないということで、本当に課題は山積みなのだということが改めて明らかになったかと思います。本当に中学校図書館に期待していらっしゃる方々がいます。今後も検証されるということなので、その検証結果が市民の方に速やかにわかりやすい形で出てくることを期待しますし、また、そういう中で現状例えば学校の図書館ボランティアなどで、実際に現場にかかわっている方々とも情報交換など進めていただければというふうに思いますが、そのことについてはどのようにお考えになりますでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) しっかり検証していきたいと思います。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) 図書館ボランティアなどとのやりとりなどは、教育委員会としてはどのようにお考えでしょうか。
○議長(木下憲司) 新倉教育長。
◎教育長(新倉聡) 現在も各学校等で行っておりますので、それらを含めた上でさまざまな意見をいただいて検証していきたいと考えております。
○議長(木下憲司) 小室議員。
◆3番(小室卓重) しっかり検証して、計画的に進めていくということなので、少し残念ですけれども、しっかり注視をしていきたいなというふうに思います。………………………………………………………………………………………………………
○議長(木下憲司) 藤野英明議員。 〔藤野英明議員登壇、拍手〕
◆4番(藤野英明) 藤野英明です。よろしくお願いします。 1、障がいのある方々を対象とした本市職員採用試験及び障害者ワークステーションよこすか採用試験における受験資格を改善する必要性について。 障がいのある方々を対象とした本市職員採用試験の受験資格に、差別的な項目や欠格条項があることから、改善を求めて私は歴代市長と質疑を行ってきました。幾つかは改善されましたが、今も問題が残っています。 一般事務職の採用試験は、身体障がいのある方だけを対象にしています。本来障がいの種類で対象を限定するのは差別なので、私は2004年から歴代全ての市長に改善を訴えてきました。 上地市長が就任し、新たに知的障がい・精神障がいのある方々を雇用する障害者ワークステーションよこすかの導入がことし9月に発表されました。来年度からは知的障がい・精神障がいのある方々も市役所で働くことになります。常勤職ではないものの、まずは一歩前進と評価したいです。 そして、改善されないままの受験資格として、自力での通勤が可能でなければだめ、介助者なしに職務が遂行できなければだめとの募集条件があります。これらは障害者権利条約の求める合理的配慮の観点からも明らかに問題です。 ことしに入り、全国的な障害者雇用率の水増し問題がきっかけとなって、ようやくメディアもこの問題を報じるようになりました。本市と同じく、中央官庁を初め多くの自治体が自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能の募集条件を課してきたことが厳しく批判されました。厚生労働省も人事院も不適切との見解を示し、厚生労働大臣も不当な差別的扱いを採用条件に付してはならないと明言しました。適切なサービスを受けながら、誰もが自立できることを目指してきたのが、我が国の障がい福祉の歴史であるはずです。そこで伺います。 本市は職員採用試験の受験資格から、自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能を削除すべきではないでしょうか。新設される障害者ワークステーションよこすかについても、私は9月定例議会の
教育福祉常任委員会で、自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能を受験資格に入れてはならないと質問しました。しかし、課長からは否定的な答弁が返ってきました。これは大いに問題です。そこで伺います。 障害者ワークステーションよこすか採用試験の受験資格に、自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能の条件を設けてはならないと考えますが、いかがでしょうか。 もう一つ取り上げてきたのが、欠格条項についてです。これまで職員採用試験では、成年被後見人と被保佐人を試験から排除してきました。市はその理由として、両者は地方公務員法第16条に定める欠格条項に該当するからと答弁してきました。 しかし、9月定例議会でも申し上げましたが、本来成年後見制度は財産管理能力の評価に特化したもので、権利擁護、ノーマライゼーションや社会的包摂を目指したものであり、成年被後見人や被保佐人であることを理由に、権利を制限することは社会的排除に当たります。 ようやくさきの国会において、成年被後見人の権利の制限に係る措置の適正化などを図るための関係法律の整備に関する法律が提出されました。この新法が成立した場合は、成年被後見人と被保佐人は地方公務員法の欠格条項から削除されることになります。そこで伺います。 新法成立後は、速やかに職員採用試験及び障害者ワークステーションよこすかの受験資格における欠格条項から成年被後見人と被保佐人を削除すべきですが、いかがでしょうか、お答えください。 2、横須賀市パートナーシップ制度の実施について。 新聞・テレビ・インターネットなど多数の報道によって、本市のパートナーシップ制度の導入が既定事実として全国に伝えられていますが、改めて市議会の場で公式に市長のお考えを伺います。 人権施策推進会議から答申を受けて、市長はパートナーシップ制度導入を正式に決断したのでしょうか。そうであれば、その決断に至った市長の思いをぜひお聞かせください。 一部報道では、パートナーシップ制度を要綱でつくる理由は、議会との対立を避けて市長単独でスピード感をもって実施できるからとの表現がありますが、これは市議会と市民の皆様に誤解を与えるもので、本市には全く当てはまりません。 正確に事実を述べれば、昨年9月定例議会で、パートナーシップ制度導入を求めた私の一般質問に対して、市長は前向きな答弁を行ってから、1年3カ月をかけて今回の決断に至っています。単にスピード感だけを重視すれば、答弁の直後に市長決裁で要綱をつくって、すぐに制度をハスタートできたにもかかわらず、慎重かつ丁寧なプロセスをとりました。 まずは行政内部での検討に始まり、複数の性的マイノリティー当事者団体との意見交換を重ね、さらに大学教授・弁護士・人権擁護委員・民生委員児童委員・当事者団体代表などの専門家と公募市民らで構成される人権施策推進会議に対して、正式に諮問を行いました。同会議も当事者の方々をお招きして、意見聴取と質疑を行い、熱心な議論の末に答申が提出されました。つまり先行して導入した他都市からすれば、遅過ぎると言われるくらいに丁寧なプロセスを経て、市長は決断したのです。 こうしたプロセスを経たことは、とても重く、市長の決断には高い正当性があると私は受けとめていますが、市長御自身はどのようにお考えでしょうか。 多くの報道を通じて、市議会も市民の皆様も、本市のパートナーシップ制度について漠然とは知りつつあると思います。しかし、より正確に具体的なイメージを持てるように、現在想定している内容をぜひ御説明ください。本市がパートナーシップ制度を導入する目的は何でしょうか。差別や偏見の解消や暮らしやすさの保障や市民の理解につながるのでしょうか。 パートナーシップ制度を利用できる方は、どのような条件をお考えでしょうか。 パートナーシップ制度の具体的な流れは、どのようなものでしょうか。手続の場所、必要な書類や費用、要する日数なども御説明ください。 LGBTs関連施策実施自治体全国トップである本市は、全国から横須賀らしい制度の実現を期待されています。本市独自の取り組みがあれば、ぜひ挙げてください。 制度の具体的な内容を記したものが要綱ですが、要綱はいつごろに発表する予定でしょうか。制度そのものはいつから開始する予定でしょうか。 兵庫県宝塚市では、パートナーシップ制度開始から2年2カ月にわたって申請ゼロが続きました。これまで当事者の方々が受けてきた差別や偏見の大きさなどを考えれば、申請によってアウティング、暴露の被害に遭う恐怖感などから、誰も申請できない事態は本市でも起こり得ることです。 しかし、申請ゼロが続いたとしても、制度の存在価値は全く揺らがない、制度が存在することで、当事者の存在が否定されず、安心感につながるという大きな意義を持つというのが多くの当事者や有識者の評価です。 本市においても、パートナーシップ制度開始後に申請ゼロが続く可能性と、それでも本制度が存在し続けることの意義を市長はどのようにお考えでしょうか。 要綱案は、人権施策推進会議で既に公表されているため、ここからはその要綱案に基づいて質問します。 要綱案第3条では対象を定めており、4つの要件を挙げています。1、成年であること、2、横須賀市民であること、または本市へ転入予定であること、3、現在結婚していないこと、宣誓者以外の方とパートナーシップ関係がないこと、4、民法第734条第1項に規定される近親者でないことです。 この4要件を満たせば、誰もが利用できる手続としたことを私は高く評価しています。例えば対象を同性カップルだけに限定してしまえば、戸籍の変更をしていないトランスジェンダーの方が利用できなくなり、せっかくの制度が新たな排除を生み出してしまうからです。この要件ならば、バイセクシュアル、クエスチョニング、Xジェンダー、アセクシュアルなどの方々を初め、全ての方が利用可能になります。 さらに4要件を満たせば、誰もが対象となるということは、事実婚状態にある異性カップルや我が国の戸籍制度への違和感や、夫婦別姓を望む方など、さまざまな理由から法的な婚姻をあえて選択しない方々、またさまざまな事情で選択できない方々も、本市の制度を利用できるのです。これによって、現実に存在しているさまざまな形の家族が包含される制度となりました。まさに誰も一人にさせないまち横須賀にふさわしいすばらしい制度として、人権施策推進会議でも当事者団体からも、さらに全国からも高い評価を受けています。 対象は4要件を満たせば、いわゆる性的マイノリティーとされる方々だけでなく、異性カップルや事実婚の関係にある方々など、広く全ての方々が利用できる手続とした意義を、市長はどのようにお考えでしょうか。 同性婚が認められていない我が国では、同性カップルなどのパートナー関係にあるいわゆる性的マイノリティーとされる方々には、法的な保護が全くありません。そこで、パートナーを守るための1手段として、養子縁組が以前から広く活用されてきました。本来の意に反して、法的な親子関係にはなりますが、同一の戸籍に入ることで、法的な保護や遺産相続など経済的な利益が守られるからです。 一方、要綱案では、近親者でないことを要件としています。これは婚姻制度との類似性からも理解はできます。しかし、パートナーを守るために養子縁組を結んできたカップルが多数おられる歴史的経緯を考えると、この要件によって新たな排除が生まれてしまいます。 4要件のうち近親者でないことについては、パートナーを守るために養子縁組を結んだカップルを排除しないように、申請者の方々の個別の背景を勘案して運用すべきではないでしょうか。 要綱案第6条によれば、手続を終えた方々にパートナーシップ宣誓受領証を交付するとしています。この宣誓受領証という名称では、本市の同性カップルを初めとする当事者の方々が、その関係を周囲に証明できる公的な書類がないことで苦しんでいる現状にはそぐわないと言わざるを得ません。2人のパートナー関係が宣誓されたことを、本市が公的に証明するものであることから、交付する書類の名称はパートナーシップ宣誓証明書など、証明書の言葉を含むものとすべきではないでしょうか。 要綱案第8条では、証明書の返還義務を定めており、1、当事者の意思によりパートナーシップが解消された場合、2、一方が死亡した場合、3、一方または双方が本市域外に転出した場合に、証明書を返還しなければならないとしています。けれども、死亡と市外への転出は削除すべきです。 パートナーが亡くなったときこそ、他の遺族との関係や葬儀などさまざまな実務において証明書が必要になることが多いのに、と当事者の方々は不安の声を上げています。証明書は生前の2人の関係性を公的機関が証明した唯一の存在です。行政が想像する以上に、故人との心理的なつながりを示す象徴的な存在です。そうした証明書を奪わないでほしいのです。どうか御理解ください。市外への転出を削除すべき理由も同じです。パートナーの死亡と市外への転出については、証明書の返還義務から削除すべきではないでしょうか。 次に、証明書に伴う本市独自の効力について伺います。 一般的にパートナーシップ制度に法的効果はないものとされていますが、先行自治体の中には独自の取り組みで証明書に効力を与えているまちもあります。証明書を持つ方々に提供できる新たな取り組みを、本市は検討すべきではないでしょうか。 福祉の世界では、ハウジングファーストと住まいの重要性を表現していますが、住まいこそ生活の基本です。そこで本市では、いわゆる性的マイノリティーとされる方々の住まい探しに関して、既に民間の不動産事業者に積極的に御協力をいただいてきました。 次は本市が、新たに市営住宅への入居を可能とすべきです。この提案は前市長と過去4回も議論を重ねてきましたが、できない理由として納得できる答弁は一度もありませんでした。 例えば平成28年第1回定例会で、私は市営住宅条例の上位法である国の公営住宅法第23条第1項で定められていた法律上の親族でなければ入居資格はない、つまり同性パートナーは親族でないために入居資格がないという条件は、既に平成24年4月に廃止されていることから、パートナーシップ制度がなくとも市営住宅条例第6条第1項第2号を削除すれば、すぐに実現できることを指摘しました。 これに対して、前市長は渋谷区を例に挙げて、条例改正をしなくとも対応できると述べつつも、本市にはパートナーシップ制度の仕組みがないために同条文中の事実上婚姻関係と同様の事情にある者に同性パートナーを当てはめることはできないと答弁しました。 しかし、この答弁に基づけば、今回本市がパートナーシップ制度を開始することで、その条件が満たされることになります。実際、三重県伊賀市では市営住宅条例の改正をせずに、パートナーシップ制度の開始に合わせて証明書を持つ方々の市営住宅の応募を認めています。 本市は、証明書を持つ方々を市営住宅へ入居可能とすべきではないでしょうか。 市内には、市営住宅だけでなく県営住宅も存在します。現在、パートナーシップ制度導入予定の県内自治体は2つしかありませんが、必ずこの動きは県全域へと広がっていきます。県営住宅への入居に関しても、必ず神奈川県は検討せざるを得なくなります。そこで、ぜひ本市が口火を切るべきです。 証明書を持つ方々が市内の県営住宅への入居が可能となるよう、運用見直しの検討を本市は神奈川県に要請すべきではないでしょうか。 どれだけ本市を愛していても、転勤を初めさまざまな理由から人は転居を避けることができません。市内でしか効力を持たず、転出により失効してしまう証明書では、利用者に継続的な安心感を与えられません。 そこで、この状況を改善するために、せめてパートナーシップ制度を先行実施している自治体間だけでも連携して、取り扱いに関する協議を行い、利用者の不利益を取り除くべきです。制度を単独の自治体がつくるだけのステージから、自治体間連携の新たなステージへと進んでいくべきです。 本市は類似のパートナーシップ制度を持つ自治体に連携を呼びかけて、自治体間での証明書の取り扱いについて協議を行うべきではないでしょうか。 続いて、本市職員が証明書を取得した際の福利厚生や人事制度のあり方について伺います。 パートナーシップ証明書を持つ社員に対して、配偶者がいる社員と同様の福利厚生や人事制度の対象とする企業がふえています。当然市役所にも同性パートナーは存在していますので、パートナー関係にある職員の福利厚生や人事制度のあり方を、法的な婚姻関係にある職員に近づけるよう、前市長に一般質問しました。残念ながら3年前当時はゼロ回答でした。 しかし、今回の制度導入をきっかけに、パートナーシップ証明書を取得した本市職員の福利厚生や人事制度のあり方を市役所が見直すことは、民間企業にも波及していく大きな効果が期待できます。そこで伺います。 証明書を持つ職員は、法的婚姻関係にある方々が受けられる各種休暇、例えば結婚、育児、介護、忌引きを取得できるようにすべきではないでしょうか。 家族の扶養手当は、事実婚であっても法律では支給が認められており、本市パートナーシップ制度を利用した職員に対しては、扶養手当を支給できるように検討すべきではないでしょうか。 市役所とは別組織ですが、職員の互助組織である職員厚生会は職員が結婚すると結婚祝金を支給しています。本市パートナーシップ制度を利用した職員に対して、この結婚祝金を支給できるように、職員厚生会に提案していただけないでしょうか。配偶者がいる職員に適用される制度に関して、そのほかにも本市パートナーシップ制度を利用した職員に適用できるものがないか、ぜひ御検討いただけないでしょうか。 3、市民が一読して正確に理解できるように、改正男女共同参画推進条例案における定義と条文を改善する必要性について。 いわゆる性的マイノリティーとされる方々への差別や偏見の解消に向けた取り組みを進めていくために、男女共同参画推進条例を改正して、新たに多様な性を尊重する社会を実現することを明記する作業が進められています。 新たな条例名は、男女共同参画及び多様な性を尊重する社会実現のための条例です。現在パブリック・コメント手続の意見募集を終え、具体的な条文も固まりつつあります。しかし、この条例案を市民の方々に読んでいただきましたが、多様な性の尊重が全く伝わらないという危機的な事態に陥っています。 原因は、文言の定義を定めた第2条(1)です。具体的には全ての人が性別、性的指向、性自認などにかかわらず、個人として尊重され、家庭・地域・学校・職業生活など社会のあらゆる分野における活動において、対等に参画し、その個性及び能力を発揮するという状態を男女共同参画と定義しています。 本来、この説明を適切に要約すれば、男女共同参画及び多様な性を尊重する社会の実現とすべきです。しかし、多様な性を尊重する社会の実現という言葉を定義からカットしてしまったせいで、条例案全体から多様な性の尊重という言葉が消えてしまいました。行政法務的には意味は変わらないのですが、多様な性を尊重する社会を実現するという本市の姿勢は全く伝わらなくなりました。 伝わらなさを示す具体例を紹介します。 市の責務を定めた条例案第4条第1項は、市は基本理念に基づき、男女共同参画の推進を市の主要な施策として、総合的に実施する責務を有するとなっています。どこにも多様な性の尊重が記されていないため、これを読んだ市民の方は、本市に多様な性の尊重を実現する責務があるとはわかりませんでした。 そこで、私が示した定義の代替案を用いて、同じ条文を読み直します。市は基本理念に基づき、男女共同参画と多様な性を尊重する社会の実現の推進を市の主要な施策として、総合的に実施する責務を有する。全く別の内容に変わりました。こちらこそ改正理由に沿った条文です。そこで伺います。 改正男女共同参画推進条例案中の男女共同参画という文言は、全て男女共同参画及び多様な性を尊重する社会の実現に置きかえるべきではないでしょうか。 以上で1問目を終わります。再質問は一問一答方式で行います。
○議長(木下憲司) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。 〔
上地克明市長登壇〕
◎市長(上地克明) まず、本市は職員採用試験の受験資格から自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能を削除すべきではないかについてですが、議員御指摘の受験資格につきましては、今後削除します。 このことについては、以前から藤野議員が指摘をされていましたが、障害者雇用に関する一連の問題が明るみになる中で、この受験資格についても国が不適切と判断したところです。まさに藤野議員の慧眼に敬意を表して、不適切な状態が続いていることには反省をしています。 次に、障害者ワークステーションよこすか採用試験の受験資格に、自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能の条件を設けてはならないことについてですが、来年度新設する障害者ワークステーションよこすかについても、自力通勤可能、介助者なしに職務遂行可能の条件は当然設けないことにします。 次に、新法成立後は速やかに職員採用試験及び障害者ワークステーションよこすかの受験資格における欠格条項から成年被後見人と被保佐人を削除すべきではないかについてです。 こちらについても、藤野議員が以前から指摘をされており、新法が今国会で審議されているところからも、議員に先見の明があったと言わざるを得ないと思っています。 しかしながら、新法の施行期日が公布の日から6月になっていますので、本市の受験資格からの削除については、手法や時期も含めて適切に対応していくつもりであります。 次に、人権施策推進会議から答申を受けて、パートナーシップ制度導入を正式に決断したのか、その決断に至った思いについて、あわせて回答いたします。 あらゆる差別をなくしたいということが私の政治信条であったために、パートナーシップ制度の導入は多様性を認め合う社会の実現、さらに当事者の方の暮らしやすさの保障のほか、多くの市民に対して、性の多様性に対する理解を広める効果もあって、今回人権施策推進会議からの答申を受け、改めて正式に導入を決めました。 次に、決断したプロセスに対する考え方についてですが、さまざまな意見や考えがある中で、できるだけ丁寧なプロセスを経て決断をしたいと思っていました。第三者機関である人権施策推進会議において、性的マイノリティー当事者の方からは意見を聴取するとともに、活発な審議をしていただきました。 人権施策推進会議や当事者の方々からの意見を踏まえた答申は、非常に意義があって重いものと感じています。 次に、本市がパートナーシップ制度を導入する目的についてです。 性的マイノリティーの方は、一般的に人口の約3%から5%と言われていますが、その多くが深刻な困難を感じている実態が明らかになっています。困難の背景には、性別は男女のみであり、恋愛対象は異性のみという人々の意識があって、性的マイノリティーに対する理解が進んでいないと考えられます。 本市では、性の多様性を尊重するさまざまな施策を進めてきましたが、さらにパートナーシップ宣誓制度を導入することにより、性の多様性に対する社会的な意識の変化が進み、日常生活において深刻な困難を抱えている性的マイノリティーの方の生きづらさを、少しでも少なくしていきたいというふうに考えます。 次に、パートナーシップ制度を利用できる方の条件についてです。 人権施策推進会議に制度概要案として、宣誓をできる方をお示ししましたが、答申を受け、現在検討中であります。当事者の方々からの御意見を踏まえ、よりよい内容にしたいと考えています。 次に、パートナーシップ制度の具体的な流れについてですが、宣誓の具体的な流れについては、当事者の方がパートナーシップ宣誓書を市に提出して、証明書の交付を受けることになります。 宣誓場所は、プライバシー保護のために市役所会議室、またはデュオよこすかを想定しており、年末年始を除く土日祝日を含む毎日9時から17時までの間の受付とします。 必要書類は、住民票の写し、戸籍抄本など独身がわかる書類、本人確認できるものなどをお持ちいただきます。 費用は無料で、即日交付を考えています。なお、場所等の確保のために、事前予約制にする予定です。 次に、パートナーシップ制度における本市独自の取り組みについてです。 当然のことながら、当事者の方々からの御意見を踏まえ、制度設計をして、よりよい内容にしたいと考えています。 性的マイノリティーとされる方々のみならず、事実婚の方々や法的な婚姻は望まないが、パートナーシップを公的に証明してほしいという方も申請できる制度にはしたいと考えています。 次に、要綱の発表時期と制度の開始時期についてですが、先進自治体の事例の研究を進めており、また、当事者の皆様の意見を伺いながら制度設計を行い、平成31年3月定例議会に要綱案と制度概要をお示ししたいと考えています。その上で、平成31年4月の制度導入をぜひ目指したいと考えます。 次に、申請ゼロが続く可能性と、それでも本制度が存在し続けることの意義についてですが、パートナーシップ宣誓制度は、当事者本人の自由な意思で宣誓するものなので、申請がゼロということもあり得るのではないかと考えます。 それでもこの制度が横須賀市にあるということは、多様性が認められて、さまざまな方たちが生きづらさを解消できる可能性があることを示すことにつながり、大きな意義があると思っています。 次に、異性カップルや事実婚の関係にある方々など広く全ての方々が利用できる手続とした意義についてですが、全ての差別や偏見をなくして、誰も一人にさせないまちにするということが私の究極の目標であります。これは政治家としてでもあるのですが、そのためにも多様性を認め、全ての市民の方々がこのまちで暮らしてよかったと思えることが重要であって、広く全ての方々が利用できるパートナーシップ制度は、大変意義深いものではないかと考えます。 次に、パートナーを守るために、養子縁組を結んだカップルを排除しないよう、申請者の方々の個別の背景を勘案して、運用すべきではないかについてです。 議員御指摘のとおり、申請者の方々の個別の背景を勘案して、運用できるようにしたいと考えます。 次に、交付する書類の名称は証明書の言葉を含むものとすべきではないかについてですが、その方向で検討したいと思います。 次に、パートナーの死亡と市外への転出については、証明書の返還義務から削除すべきではないかについてですが、パートナーが亡くなられた場合の取り扱いについては、議員が御指摘のような事例があることは、当然想定されますので、返還を要しない方向で検討していきます。 市外に転出する場合は、あくまで横須賀市の制度なので、他の自治体の市民に対して運用することでは難しいのではないかと考えます。 次に、証明書を持つ方々に提供できる新たな取り組みを本市は検討すべきではないかについてですが、制度導入を全庁的に周知するとともに、制度の要綱や制度概要の固まる段階で、本市のパートナーシップ宣誓制度を活用できる行政サービスについて、全庁的に検討する予定です。 次に、証明書を持つ方々を市営住宅に入居可能とすべきではないかについてですが、本市がパートナーシップ関係にあると認めた方々が、市営住宅に入居を希望した場合、特に条例の改正を行わなくても入居は可能であると考えています。 次に、証明書を持つ方々が県営住宅への入居が可能となるよう、神奈川県に運用の見直しの検討を要請する必要についてですが、本市のパートナーシップ制度の取り組みについて広く理解を求めていくことは、非常に大切なことではないかと考えます。 神奈川県にも、本市の取り組みについて、機会を捉えて説明・紹介し、理解を求めていきたいと考えます。 次に、自治体間での証明書の取り扱いについての協議についてです。 パートナーシップ制度については、まだ全国で9自治体だけが導入している制度です。まずは横須賀市のパートナーシップ制度が順調に運用され、当事者の皆様にとってよりよい制度になることを目指していきたいと考えています。 次に、証明書を持つ職員が、法的婚姻関係にある方々が受けられる各種休暇を取得できるようにすべきではないかについてです。 御提案につきましては、パートナーシップを形成した職員の共同生活を支援する観点から、必要ではないかと考えます。 パートナーシップ制度を利用した職員への適用範囲につきましては、各種休暇の趣旨を踏まえ、制度検討を進めてまいりたいと思います。 次に、本市パートナーシップ制度を利用した職員に対して、扶養手当を支給できるように検討すべきではないかについてです。 事実婚の場合の扶養手当については、事実婚が客観的な事実として確認できれば、その他の認定のための条件は、法律婚と同様として支給対象としています。 パートナーシップ制度を利用した職員に対して、扶養手当を支給することについては、事実婚と同様に支給できるのか、検討していきたいというふうに考えています。 次に、パートナーシップ制度を利用した職員に対して、結婚祝金を支給できるように職員厚生会に提案することについてですが、議員おっしゃるとおり職員厚生会は市役所とは別組織ですので、私から厚生会に提案をしていきたいと考えます。 次に、配偶者がいる職員に適用される制度に関して、そのほかにも本市パートナーシップ制度を利用した職員に適用できるものがないか、検討することについてですが、今後他都市の事例も参考にして、ぜひ検討していきたいと考えます。 次に、改正男女共同参画推進条例案中の男女共同参画という文言は、全て男女共同参画及び多様な性を尊重する社会の実現に置きかえることについてです。 現在の条例改正案は、男女共同参画審議会が作成した案となります。今回いただいた御意見につきましては、パブリック・コメントにおいていただいた意見とあわせて、男女共同参画審議会において答申をまとめる中で、再度、審議いただければと考えています。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) 市長、御答弁ありがとうございました。 議員の皆様から再質問は要らないのではないかと言われるぐらいに、歴代の市長からは全く考えられないような革命的な変化が今また進んでいるのだというのを感じています。 自分が議員を務めている間の歴代4市長の中で、上地市長が最も人権意識が高く、差別を嫌っている、そういう市長だというふうに強く感じており、大変頼もしく感じております。 まず、障がい者雇用の受験資格の改善の必要性については、まさに思いを酌んでいただき、全て対応していただけるということを、承知いたしました。 また、新法成立後の欠格条項の、成年被後見人と被保佐人の削除については、まだ国会の審議の流れが不透明ですし、また、法が施行された後も6カ月の期間が必要ですから、来年度の採用試験においてすぐにこれを削除するのは少し難しいかというのは、十分承知しております。 1点確認したいことがあります。 実は、本市職員採用試験では、身体障がい者のみを対象としています。しかし、2016年8月、つまり今から2年前に厚生労働省が地方自治体、これは都道府県に対してなのですが、障がい種別を限定しないように公正な採用選考を要請する通知を出して、身体障がいに限定することなく、他の障がい者に広く門戸を開き、能力適性のみを基準とした公正な採用選考の実施を求め、知的障がい・精神障がいのある方々の雇用を促しています。 この通知は県に出されたものですが、県を通じて本市にも届いていますね。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 調べてみましたが、届いているようでした。ただ、受け入れる体制ができていなかったので、注意喚起というふうに受けとめていたということはありましたが、確かに注意喚起としてでも、県を通じて届いていたことは事実です。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) この通知の扱いについては、前市長時代のことですが、これを知ったときに最初に思い浮かんでしまったのは、前定例議会で質問をいたしましたうわまち病院の進入路の拡幅の問題でした。法改正が12年前に行われていたのに、部局間で連携されていなくて、知られていなかったということを想起させられました。2016年にもう通知が出ていて、直さねばならなかった。けれども、時の市長は直そうということをしなかった。 今回いろいろとヒアリングをさせていただいて、上地市長が障害者ワークステーションよこすかを発案されて、公明党さんの御提案があり、市長が決定をしてくださった。つまり通知と今回知的・精神障がいのある方を雇用するのは、全く別の話だったということを知って、すごくショックを受けています。なぜ2年前の通知を受けてできなかったことが、市長が交代したらできるのか。これはやはり前市長が本当にだらしがなかったと言わざるを得ないというふうに思っています。 新たに上地市長のもとで全ての障がいのある方々が雇用される仕組みとなって、そしてその人それぞれの能力に合わせて、市役所で働いていることを強く期待するものですが、市長の御所見をお聞かせください。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 前市長がどうのこうのというのは、余り興味がなくて、流れの中でこうあるべきなときに私が出てきているだけで、それで人権施策をやっているだけにすぎないのです。過去がどうであろうが前に向かって進むべきなので、あらゆる人権というものが整っていかなければいけないというふうに思っているのです。 それから、今のこういう問題もとりたてて私が手がけているのではなくて、流れの中で行うべきときに当然来ているだけだということだけは、御理解ください。パートナーシップ制度についてもということです。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) 市長はそうおっしゃいますが、市議会議員として16年間同じテーマを追いかけてきた人間からいたしますと、恨み節が出てしまうのです。市長はそのようなことは当たり前だというふうにおっしゃるのですが、当たり前の行政が実現されてこなかったのも、正直事実であります。 こういうふうに述べると、上地市長を持ち上げ過ぎだという声が上がるのですけれども、現実問題として、今まで全然変わってこなかった。それが今改革が進んでいるのだということを広く市民の方にもぜひ知っていただきたいというふうに思っております。 続いて、横須賀市パートナーシップ制度について、幾つか確認をしてまいります。 まず再質問の1は、パートナーシップ制度の受理をする職員に対する研修の必要性についてです。 市長にお話しいただいた制度の具体的な流れで、パートナーシップ制度を申請したい方には横須賀市役所、あるいはデュオよこすかに来ていただいて申請をしていただくということがわかりました。 このとき、受理をする職員の方や、また場所を御案内する職員の方がパートナーシップ宣誓をしたい方々に対して、不適切な対応をするようなことがあっては絶対にならないというふうに思っています。 そこで、受理をする職員の方、または本来でしたら全ての職員の方に改めて研修をしていただきたいというふうに考えているのです。ぜひ理解を高めるための研修をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 私自身不適切という意味がよくわからないので、研修すべきものなのかどうかもまだよく理解できないのですが、そうなった場合、もし不適切な発言をするような人がいるのであるならば、それはきちんと教育しなければいけないというふうには思っています。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) 市長はフラットな方なので、そもそも差別をするという発想がないというお考えだと思います。ただ、残念ながら社会はそうはなっていなくて、やはり非常に不適切な発言を無意識にされてしまう方もおられるのが現実です。ですから、改めて職員の皆さんに、内なる差別とか、無意識の偏見というのを解放していただけるように研修をぜひ行っていただきたいと思っています。 また、制度導入に伴う市民啓発の必要性について伺います。 実は今回、本市が4月に導入するというふうな報道がなされてから、全国から多数の祝福の声が届いております。その中には、例えば本当に全国的に有名な経済評論家で、最近みずからのセクシュアリティーをカミングアウトとしたある方から、横須賀に来て講演会をしてもいいというふうなお言葉もいただいております。もしその方が講師に来てくだされば、本当にたくさんの人が、講演会に集まって、そして、セクシュアルマイノリティー当事者であること、それは当たり前のことの一つでパートナーシップ制度も本当に大切な取り組みであるということを理解していただけるきっかけになると思っています。 こうした講演会行事なども含めて、ぜひ市民の方々への周知に努めていただきたいと思うのです。制度の開始にあわせて取り組みをぜひ強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) ぜひ強化していきたいというふうに思っています。 先ほどからお話を聞いていて、私自身社会的偏見が余りないので、どのようにお伝えするか、これから検討しなければいけないと思うのですが、デリケートな問題なので、どういう表現をしたらいいのかというのがあると思うのです。だから、その辺を少し踏まえながら考えていきたいというふうには思っています。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) それから、今後の要綱の中身についてに質問を移りたいと思います。 まず一番最初にお聞きしたいのは、これから当事者の方々の声をさらにじっくりお聞きいただき、反映していただきたいということの確認です。既に横須賀市市民部人権・男女共同参画課は、複数回にわたって当事者団体からヒアリングをしていただいています。ですから、もう聞くという姿勢ははっきりと打ち出されているのですが、まだ具体的な要綱案の中身について、心配しておられる方もたくさんいらっしゃいます。 例えば、申請書を二人で出すことが全国のスタンダードになっておりまして、本市の場合も二人で出すということに重きが置かれています。ただ、一般的な婚姻を例に挙げますと、婚姻届を出すのは一人であろうと全く問題ないわけです。今回私が実際にいただいた声は、今までパートナーシップ証明を取る気持ちはなかったけれども、自分のパートナーが病気の状態に今あると。その病気は決して深刻ではないけれども、もしパートナーが命を失ったときのことを考えたらば、横須賀市がパートナーシップ制度を始めたら、ぜひ申請に行きたいのだと。ただ、外に出歩ける状態ではないので、一人で出すことも、またぜひお許しいただきたいと。そういうような声をいただいております。 これは具体的にこのことだけを変えろという意味ではなくて、さまざまな全国スタンダードを横須賀市は取り入れていて、中でも飛び抜けて先進的であると思うのですけれども、こういった細かな部分もぜひ細やかにヒアリングをしていって、仕組みに反映させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 制度の設計には、今言われたような細かなこともぜひ検討していきたいというふうには思っております。おっしゃるとおりです。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) それから、証明書の返還義務についてです。特に転出についてお伺いいたします。 これも当事者の方々から切実な声をいただいております。その方は転勤が多い職業です。市内にある職業で転勤が多い職業と言えば、御理解いただけると思います。たまたま今この時期は横須賀に来ていて、そして、横須賀にパートナーシップ制度ができる、大変うれしいと。ただこの先、転勤があり、横須賀を必ず離れざるを得ない。市を離れれば制度が失効するのはわかっているけれども、証明書だけは奪わないでほしいと。つまり所持をさせてほしいと。そういう意味で申し上げております。ぜひその点は再検討いただけないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 今のことも含めて、生活上のあらゆる不便さは、いろいろ当事者にお聞きしないとわからないところがありますので、さまざまな御意見を聞きながら、改善していきたいというふうには思っています。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) 続いて、県営住宅への入居について、神奈川県に運用見直しを要請すべきではないかということ、それから、全国の先んじてスタートしている自治体に連携を申し出てほしいということについて、再度質問をいたします。 まず、神奈川県からです。 神奈川県は黒岩知事を筆頭に、また、県議会の皆さんも取り組みを進めておられて、例えば県庁舎をレインボーカラーにライトアップするなどという取り組みも進めており、多分横須賀市とはケミストリーというか、よい化学反応が起こるのではないかというふうに思っております。 先ほど機会を捉えて説明し、理解を求めるとのことだったのですが、一歩進んでぜひ県営住宅への入居を具体的に検討してほしいという言葉もお伝えしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) それも含めて、検討していきたいと思います。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) それから、先行自治体との連携について改めてお伺いいたします。 まず本市が足元を固めたい、まさにおっしゃるとおりです。少なくとも数年間実施して、そして、当事者の方々の利用しやすさなどをお聞きして、しっかりとしたものにしたいという思いは、私も同じく持っております。 ただ、横須賀市、このパートナーシップ制度だけはスタートはゆっくりでしたけれども、それ以外の取り組みは全国1位なのです。横須賀市は市長が意識されようとされなくとも、このまちの取り組みはもう常に全国から注目をされています。一挙手一投足がまさに注目をされています。 これまで一部の法学者や一部のパートナーシップ制度の研究者の間では、なぜアライアンス、連携を組まないのだという話が出てきました。多分これを議会で質問するのも、全国で初めてなのではないかと思います。ですから、即答はもちろん望めないものだとは思っていました。 しかし、類似のパートナーシップ制度を持つ自治体同士が協力をし合って、少なくとも同じ制度を持っているまち同士では、引っ越しをした場合、そこで改めて申請をしなくてもいいとか、あるいは共通の何か利益を受けられるというような設定をぜひ協議していただきたいというふうに思っています。 研究課題にさせてほしいという御答弁をいただいていますけれども、ぜひこれは前向きに進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 評論家諸氏や学者がどう言おうが、ほとんど興味はない世界で、横須賀にいる人が幸せになればいいというだけで、それが先進的だろうが何だろうが、まるで基本的に興味がないのです。だから、横須賀を転出して、違うところに行ったときに、先ほど言った、連携というのは余りよくわからないのだけれども、本市のパートナーシップ制度を使ったところで他都市に行っても認められるということであるならば、これは当然そういうことを話していかなければいけないとは思っています。
○議長(木下憲司) 藤野議員。
◆4番(藤野英明) 最後の質問になります。 改正男女共同参画推進条例の定義と条文の改善についてです。 これはもう御答弁としては納得しているのですが、やはりこれまでも、ちょうど昨年9月定例議会でも市長と議論をしましたが、行政は法律用語などをまとめたくなりますし、計画もまとめたくなります。私も政策検討会議の皆さんと2つの条例をつくることができて、条例はいかにシンプルであることが大事かというのもよく理解しています。 ただ、市民の方にとって条例がわかりやすいものであるかどうかというのは、政策法務や行政法務の知識がない方にとっては、大変わかりづらい、これは必ず避けなければいけないと思っています。 例えば条例案第2条の(1)の定義を問題にしました。今から少し例を挙げたいのですけれども、どこに多様な性の尊重が入っているのかと。全くわからないということがたくさん出てきてしまうのです。 例えば市の責務第4条第2項において、市は男女共同参画を推進するための情報を積極的に提供しなければならない。この一文だけを読んだときに、市民の方はどこに多様な性の尊重が入っているのかと。その行政法務や政策法務に詳しい人は、第2条(1)の定義を見ていただければわかると言うのですが、やはりわからないのです。 例えば第5条の市民の責務でも、こう書いてあります。市民はみずから男女共同参画について学び、生活の中で意識及び行動を見直すよう努めなければならない。ここにどこにも多様な性の尊重とは入っていないのです。法務的には男女共同参画の中に多様な性の尊重が入ってはいるけれども、読めないのです。 基本的施策も同じです。第9条では、市は男女共同参画を推進するため、次に掲げる基本的施策を行うものとするとありますが、男女共同参画を推進するための施策を行うだけとしか読めない。これが基本計画などについても定められているわけですけれども、読み取れないのです。ですから、行政法務的に正しい、政策法務的に正しいとしても、やはりこれを切り取って読んだ市民の方が、ああ、この条例は自分のためにつくられているのだ、この条文は自分のためにあるのだと感じられるように、ぜひわかりやすくしていっていただきたいというふうに重ねて要望しますが、いかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) ぜひ検討していきたいと思います。ただ、市民に対する意識啓発なのか、不自由を感じる方に対するエンカレッジなのかという問題があると思います。だから、全ての文言を変えるというのは、余りにも突出してしまうということはあると思うのです。 ただ、今言われたとおり、必ずその文言を入れなければいけないというふうには感じていますので、何らかの工夫はしていきたいと思います。ぜひ検討してみます。………………………………………………………………………………………………………
○議長(木下憲司) 質問を続行します。西郷宗範議員。 〔西郷宗範議員登壇、拍手〕
◆26番(西郷宗範) 自由民主党の西郷宗範です。発言通告に従い、質問させていただきます。 まずはシビックプライドについて、市長の見解をお聞きします。 市長はシビックプライドという言葉を聞いたことがあるでしょうか。シビックプライドとは、都市に対する市民の誇りということで、郷土愛にも似ていますが、都市をよりよい場所にするために、自分自身がかかわっているという当事者意識に基づく自負心のことだそうです。 7月に読売広告社のYOMIKOが調査したシビックプライド調査が発表されました。関東・関西圏の住民人口10万人以上の151自治体を対象とした自主調査で、住民のまちへの意識である愛着、誇り、共感、継続居住意向、他者推奨意向の5つの指標による評価を行っています。 総合ランキングでは、ベスト10に神奈川県内から藤沢市が4位、鎌倉市が5位、海老名市が7位と3市がランクインしており、さらに茅ケ崎市が23位、横浜市が29位、平塚市が30位と上位にランクしています。 それぞれの項目では、愛着では1位は藤沢市、2位が鎌倉市、誇りでは2位に鎌倉市、7位に藤沢市、8位に海老名市、共感では4位に海老名市、5位に藤沢市、継続居住意向では1位に藤沢市、5位に海老名市、9位に鎌倉市、他者推奨意向では3位に鎌倉市、5位に藤沢市、7位に海老名市となっています。 横須賀市は調査対象ではありましたが、私が入手した簡易版ではそれぞれ40位までの記載しかないため、確認することができませんでしたので、41位以下となります。 そこで質問します。本市ではシビックプライドの醸成がなされておらず、こうした結果となっていると思われますが、市長はこの状況についてどのように考えますか。 先日出席した第80回全国都市問題会議において、シビックプライド研究会の東京理科大学理工学部建築学科、伊藤香織教授のお話によると、シビックプライドはビクトリア朝時代のイギリスの都市の規範であったそうです。当時は建造物、特に公共建築・公共空間の文化の美しさがその都市のシビックプライドの表現やあかしとして捉えられていたということでした。 シビックプライドは、単なる市民個人の感情にとどまらず、町なかの象徴となる物や事、市民の行動としてあらわれてくる特性があります。つまりは市民と都市との接点となるもの、シビックプライド研究会では、これを
コミュニケーションポイントと呼んでいるそうです。 かつては横須賀と言えば、EMクラブやガントリークレーンなど横須賀の象徴となるような建造物もありました。横須賀のジャズにしても、EMクラブが
コミュニケーションポイントとして盛んになったのではないでしょうか。現在行われている街なかミュージックや横須賀ジャズ協会が主催する横須賀トモダチジャズなど、音楽に関するイベントもふえていますが、より盛んにするためには、
コミュニケーションポイントとなる場所の整備も必要だと思います。市長はどのようにお考えでしょうか。お聞きします。 もう一例を挙げますと、NTT通信研究所と言えば、携帯電話の研究拠点として市内外にその名をとどろかせていました。スマートフォンの普及で、かつての勢いは失われたとも言われていますが、現在でも横須賀リサーチパークとして、ブロードバンドユビキタスサービスや
コミュニケーションサービス、セキュリティ技術など先進的な技術開発を行っています。 横須賀リサーチパークを
コミュニケーションポイントとして多くの企業が集まる、市民もそれを誇りに思う、この状況をつくり出すには、横須賀リサーチパークの見学コースをつくり、より多くの市民に理解を深めてもらうことも必要だと思いますが、市長のお考えをお聞きします。 市長が進めるさまざまな施策についても、同様にシビックプライドが醸成されていないと進まない点が多いと思います。シビックプライドは、市側だけで醸成できるものではなく、市民自身がみずからの自負心を醸成していかないといけないことではありますが、本市としてその自負心を養っていく上で、どのような考えをお持ちでしょうか。お聞きします。 続いて、観光と集客戦略についてお聞きします。 まずはフィルム・コミッションについてです。 平成23年第3回定例会の私の初めての一般質問で、観光と集客戦略について質問し、特にフィルム・コミッションについて議論を交わしました。当時は横須賀ロケサービスでしたが、その後、窓口の一本化ということで、メディアデスクが設置され、誘致営業が行われてきました。確かにこの数年、横須賀がメディアに取り上げられる機会もふえてきており、成果を上げてきていることは確かです。 一方で映画やドラマの舞台というと、最近ではフィルム・コミッションがある三浦市が舞台になるものが多いようにも感じられますが、これについて市長はどのようにお感じでしょうか。お聞きします。 全国フィルム・コミッション連絡協議会のフィルム・コミッションの三原則の一つに、作品内容は問わないというものがありますが、前市長の答弁では、これにより本市のマイナスイメージにつながりかねないような撮影についても、市として支援せざるを得ないという状況が続いたため、平成19年3月に全国フィルム・コミッション連絡協議会から脱退したということでした。 現在、メディアデスクでは、本市のマイナスイメージにつながるものを受けていないということでしょうか。お聞きします。 エンドロールなどを見ていると、暴力シーンや事故などのシーンがあるものは、撮影した施設の撮影協力とし、その施設と本市は関係ないというイメージを植えつけているようにも感じますが、市長はいかがお感じでしょうか。お聞きします。 フィルム・コミッションのメリットは、全国フィルム・コミッション連絡協議会のホームページにも記載されているように、1、当該地域の情報発信のルートがふえる、2、撮影隊が支払う直接的経済効果が見込まれる、3、作品、映画・ドラマを通じて観光客がふえ、観光客が支払う間接的経済効果が見込まれる、4、映像制作にかかわることを通じて、地域文化の創造や向上につながるという4点です。特に2番目の直接的経済効果については、撮影の相談窓口一本化により、宿泊、ロケ弁当の手配、許可申請、エキストラの手配まで一括して行うことで、市内経済の活性化へのメリットが大きいと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。お聞きします。 実際にドラマや映画などの長期にわたるロケを行う上では、横須賀は使いづらいということを芸能関係者からお聞きしたこともございます。これは他市のフィルム・コミッションと異なり、横須賀は紹介だけしか行っていないことが一番の原因ではないでしょうか。フィルム・コミッションの必要性とあわせ、市長のお考えをお聞きします。 続いて、イベントの検証についてお聞きします。 ポケモンGOのイベント、Safari Zone in YOKOSUKA2018では多くのトレーナーが横須賀に集結しました。今回の会場はヴェルニー公園、三笠公園、くりはま花の国と市内に広がっていたため、タクシーを利用した参加者も多かったと聞いています。そこで質問ですが、今回のイベントの情報は、タクシー協会などに情報提供などを行ったのでしょうか。お聞きします。 今回のように広範囲に及ぶイベントの場合は、タクシーの利用も多くなります。タクシーに横須賀の案内マップや飲食店の案内マップなどを配架することも、市内経済の活性化につながると思いますが、市長のお考えをお聞きします。 同様に、トロピカルディスコやANA
ウインドサーフィン・
ワールドカップ横須賀大会についても、しっかりとした検証が必要です。来客の世代、地域などはもとより、どのような音楽のときに盛り上がっていたのかなどを、単純にイベンターに任せるだけではなく、本市としても次回につながる傾向を検討する必要があると思いますが、市長のお考えをお聞きします。 大きなイベントの際には、会場への入り込み数だけではなく、市内の経済効果やトラブルなどの情報などイベントにおけるさまざまな検証が必要です。しっかりと検証することにより、次回の開催やほかのイベントへの波及効果などにつながっていきます。これらのイベントについても、経済効果だけではなく、ニーズについても検証すべきと考えますが、市長のお考えをお聞きします。 最後に、広報についてお聞きします。 広報よこすかのデザインが11月に刷新され、多くの方から好評をいただいているところです。また、先日行われたトンネルシンポジウムの会場で配られたチラシのデザインも、遊びの要素もあり、非常にすばらしいものだと感じました。これもひとえにデザイン担当の職員を採用したことによる効果ではないかと思います。 また、市役所のエレベーターマットに、よかった、ありがとうという文字が書かれ、市長のメッセージが来庁者へのホスピタリティーとして届いているのではないかと思います。 そもそも自治体広報の目的は3つあり、行政サービス広報、政策広報、地域広報であると言われています。そして、それぞれの広報のポイントは促すということです。行政サービス広報では的確な活用を促す、政策広報では参画を促す、地域広報では交流を促すということです。 デザインが刷新され、興味を持てる紙面に変わってきていますが、現在の広報よこすかにまだ不足しているものがあるとすれば何でしょうか。市長はごらんになってどのように感じたか、お聞きします。 次に、同じく広報として活躍するのが、SNS、ソーシャルネットワーキングサービスです。SNSは画面上の少ない情報から興味を持ってもらい、さらには詳細が書かれている市のホームページなどに飛んでいただく必要があります。 市で行っているフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどのSNSは、まだまだそこまでの興味が湧く内容が少ないと感じますが、市長はどのようにお考えでしょうか。お聞きします。 例えば市民健診などの案内をツイッターなどで紹介する際に、いつどこでこうした検診を行うというだけでは、なかなか人を動かすことはできません。人の体験や共感を得ることにより、より興味を持ってくれるということもあるかもしれません。例えば、検診でがんが発見され、早期治療ができたというような体験談を載せ、市民が検診を受けるように促すというのも、一つの手法ではないでしょうか。こうした手法をSNSなどに取り入れていくお考えはありますか。お聞きします。 また、SNSは観光情報としても有用な役割を担います。しかし、本市のSNS、特にツイッターなどではハッシュタグが記載されておらず、検索にひっかかりにくくなっています。ツイッターにはハッシュタグをつけるのはもはや常識とも言えるところですが、なぜハッシュタグをつけていないのでしょうか。早急に対応すべきと考えますが、市長のお考えをお聞きします。 これからの時代、シティプロモーションでSNSなどの利用は不可欠です。例えば奈良県生駒市では、プロのカメラマンの講座などを受講した10人の女性によるフェイスブックチームがいるそうです。魅力創造を図る上でも写真の見ばえというものは重要です。本市としてもSNSを専門に行うチームをつくることや、写真などの研修を行うなど、新たな取り組みを行う必要もあると思いますが、市長はいかがお考えでしょうか。お聞きします。 以上で、私の1問目を終わらせていただきます。2問目は一問一答形式で行わさせていただきます。
○議長(木下憲司) 理事者の答弁を求めます。上地克明市長。 〔
上地克明市長登壇〕
◎市長(上地克明) まず、シビックプライドの醸成がなされていないと思われる本市の状況に対する私の見解です。 シビックプライドに関しては、今回の質問で初めて知ったところです。このような結果が示されている状況については、横須賀を愛してやまない私にとっては、非常に残念な結果だと思います。 御質問のような調査の有無にかかわらず、私としては、これからも市民の皆さんが横須賀に誇りを抱いてもらえるような取り組みを進めていきたいと考えます。 次に、市民と都市との接点となる
コミュニケーションポイントの整備の必要性についてです。 御提案いただいたとおり、音楽を活用してまちを活性化させていくためには、市民と音楽をつなぐ象徴となるような
コミュニケーションポイントをつくっていくことは、非常に意義深いことと私も考えています。 そのイメージとしては、音楽を通じて自然と人々が集まり、雰囲気を楽しみ、交流できる場所であって、かつてのEMクラブ、さらには現在の青山にある私の好きなブルーノートのような、行政主体ではなく、音楽を愛する人々の思いや機運が高まり、つくられていくことを思い描いています。 今年度ヨコスカ街なかミュージックを開始しましたが、これをきっかけとなってアーティスト同士の新たな交流や、アーティストとイベントの主体となっている地域や商店街とのつながりがさらに進化をして、音楽をベースとしたさらに大きなにぎわいを生む流れができつつあると思います。 今後はこうした動きをさらにバックアップして、象徴となるような
コミュニケーションポイントをつくり出す機運を盛り上げ、音楽を生かした取り組みをさらにパワーアップさせていきたいと考えます。 次に、横須賀リサーチパークを
コミュニケーションポイントとするために、見学コースを創設し、市民の理解を深める必要性についてです。 多くの市民が横須賀リサーチパークの最先端技術に触れ、理解を深めていただくということは、私も横須賀愛の醸成につながることと思います。 現在は、NTTドコモを初め、YRPに進出している各企業や研究機関等が独自に見学会を開催しているところです。 今後は、YRPに進出する企業・研究機関等が加入するYRP研究開発推進協会とも連携をして、各施設等の一般公開の同日開催や、御提案のYRP地区をめぐる見学コースの設定など、魅力向上に向けた工夫を検討していきます。 次に、市民自身の自負心を養うことに対する本市の考えについてです。 市民の方々の横須賀に対する誇りや自負心、これは私が掲げてきたヨコスカ人としてのプライドそのものだと思っています。これを高めるためにも、これまでもヨコスカ人のヨコスカ愛を生かすまちづくりを進めてきていると自負しています。 ただ、こうしたことは市民自身から自然発生的に生まれてくるものだというふうに私は感じています。 私としては、横須賀再興プランで掲げた方向性や政策を市民の皆さんと一緒になって実現していくことこそが、ヨコスカ人としてのプライドを高めることにつながると信じています。 次に、横須賀がメディアに取り上げられる機会がふえてきている一方、映画やドラマではフィルム・コミッションがある三浦市が舞台となっているものが多いことに対する私の認識についてです。 今回、御質問を受けて早速三浦市での撮影実績について確認してみました。その結果、確かに映画やドラマのロケで三浦市内を撮影場所として使われることが多いように感じましたが、その多くは廃校となった学校、漁港・海岸などを撮影場所として利用したもので、三浦市そのものが題材として映画やドラマの舞台に取り上げられたものは、それほど多くはないという印象を受けました。 次に、本市のマイナスイメージにつながる撮影申請があった場合のメディアデスクにおける現在の対応状況についてです。 本市のメディアデスクでは、市のイメージアップにつながり、PR効果が期待できるものについて、さまざまな支援を行っています。支援を行う主な例としては、旅番組やグルメ番組など横須賀への集客につながるもの、映画・ドラマの中でも横須賀のPRにつながるもの、研究・歴史・学術に関するものがあります。 それに対して、暴力シーンや過激な映像など、本市のマイナスイメージにつながると考えられるものについては、支援を行っていません。 次に、暴力シーンや事故などのシーンがある場合に、撮影した施設の撮影協力とし、その施設と本市との関係性を否定しているように感じられるとの指摘に対する私の認識についてですが、暴力シーンや殺人現場など、本市が積極的にかかわっていない撮影が市内で行われた場合、例えば本市の名前や施設の名前を入れるかなど、エンドロールでどのように表現されるかというのは、撮影側の考えであって、本市が関与することはできないと思っています。 次に、撮影の相談窓口の一本化による市内経済の活性化についてです。 議員御指摘のとおり、フィルム・コミッションについては、宿泊、ロケ弁当の手配等の直接的な経済効果を高めるという観点において、有効な方策の一つであると私も思います。 また、デメリットとしては、番組内容を選択できないことから、よいイメージや悪いイメージに関係なく、全ての撮影を受け入れなければならないというところです。実際、全国フィルム・コミッション連絡協議会に加入していた当時、殺人や暴力シーンの撮影の問い合わせが非常に多く、また、そうしたシーンでなくても、学校や浄化センターの地下など、横須賀で撮影する必要性が乏しい案件が多かったと聞いています。 そして、撮影協力については、昼夜を問わず、要望や撮影相談を全て受け入れなければならないなど、職員の負担が非常に大きかったということも聞いています。 次に、長期にわたるロケを行う上で、横須賀は使いづらいという声がある原因及びフィルム・コミッションの必要性についてです。 横須賀での長期ロケが使いづらい原因としては、一部の事業者の方からは、土日を中心に宿泊施設が不足気味であること、また、大型ロケバスを駐車する場所が不足していることなどの声をいただくことがあります。 ただ、PR効果が期待される番組については、そうしたハンデを覆すべく、施設の紹介だけではなく、私も含め担当職員が積極的に番組制作に協力するとともに、地元との調整や食事の手配も含めた手厚い支援を行っています。 その結果、現在においてテレビ局や制作会社などと良好な関係が築けておりまして、注目度や視聴率の高い番組の撮影も増加している傾向にあります。 また、フィルム・コミッションの必要性については、先ほど答弁させていただいたとおり、直接的な経済効果が期待されますが、デメリットについても考慮しなければならないと考えています。 当面の方向性としては、現在行っているメディアデスクの活動をさらに強化するとともに、先日開催されたポケモンGOなどの大型イベントや世界的スポーツ大会、学会などの誘致で、経済効果を高める取り組みを進めていきたいと考えています。 次にタクシー協会などに対するPokemon GO Safari Zone in YOKOSUKAのイベント情報提供の有無についてです。 イベント情報については、JR東日本、京急電鉄など鉄道事業者を初め、神奈川県タクシー協会と横須賀個人タクシー協同組合に事前に情報提供を行いました。タクシー業界の方からは、久里浜駅からくりはま花の国までの移動や横須賀中央地域から久里浜地域への移動にタクシーを利用する方も非常に多かったと聞いています。 次に、広範囲に及ぶイベント開催時に、タクシーへ横須賀の案内マップを配架することによる市内経済の活性化についてです。 本市を訪れる多くの皆さんに、観光や飲食店の案内マップを手に取っていただくことは、市内経済の活性化につながる、非常に大切なことであると考えています。 市内を広域的に使ったイベントの開催はもちろんのこと、例えば本市がこれから取り組みを開始するルートミュージアム構想では、ガイダンスセンターを設置するヴェルニー公園を初め、走水の低砲台跡や千代ヶ崎砲台跡など、広範囲にわたって観光していただくためには、恒常的なタクシー利用も非常に有効なツールであると考えています。 そうした意味において、御提案のタクシー事業者に協力いただいて、タクシー内に案内マップを配架することは非常に有効であると思います。 また、配架だけではなく、観光タクシーといった視点で、タクシードライバーの皆さんにも簡単な観光案内ができるような新たな取り組みを考えていきたいと思います。 次に、イベント参加者の世代や地域、いつ盛り上がったか等、次回につながる傾向を検討する必要性について、また、大きなイベント開催時における経済効果だけではなく、ニーズの検証についてあわせて回答いたします。 ウインドサーフィン・ワールドカップは、昨年開催した第1回大会から詳細にわたって来場者アンケート調査を実施しています。その結果、来場者の世代などの属性は、男女比ほぼ半々、40代から50代の可処分所得の高い世代が約6割で多くを占め、居住者については神奈川県内からの来場者が約8割、その他が東京、埼玉と続いています。 また、イベント内容の満足度についても調査しておりまして、第1回大会の調査では競技がわかりにくい、風待ちの時間が退屈、お土産にグッズが欲しいなどの課題が挙げられました。それらを踏まえて、第2回大会では、観戦アプリの導入や大型ビジョンの台数をふやすことで観戦環境の改善を図るとともに、風待ち時でも楽しんでもらえるよう、音楽ライブやビーチヨガなどを取り入れました。また、公式グッズとしては、Tシャツやマフラータオル、ビーチサンダルなどの販売も行いました。 その成果だろうと思うのですが、第2回の満足度調査では、全ての項目で第1回大会を上回る結果となりました。 また、ことし初めて実施した猿島でのトロピカルディスコは、内容や計画について市が関与せず行われたイベントでありまして、市がアンケートなどによる詳細なデータをとることができませんでした。 しかし、議員御指摘のとおり、来場者の傾向をつかむことは、今後スポンサー企業の獲得などの点で、イベント会社にとっても必要な情報だと思いますので、主催のイベンターに働きかけ、協力関係をつくることができればと思います。 今後とも特に大きなイベントについては、経済効果だけではなく、さらに次の開催につながるようなニーズ調査や検証を実施していきたいと思っています。 次に、現在の広報よこすかに対し、私が不足していると感じるものについてです。 まず、広報よこすかをお褒めいただきまして、ありがとうございます。私自身、号を追うごとに広報よこすかの改善は楽しみでありまして、担当職員たちが伸び伸びと取り組んでいる成果のあらわれで、皆さんに手に取ってもらえることにつながっていると思っています。 また、多くの方々からも同様の意見をいただいているのが、大変うれしい限りです。 その上で御質問にお答えしますと、広報よこすかは市民に対して発行しているもので、そこに掲載する情報は市として知ってほしいことと、市民が知りたいと思うことに分けられるはずです。現在の広報よこすかは、どちらの意図で記事を掲載しているかわかりにくいことが課題と考えています。ですから、今後も毎月楽しみにされる広報よこすか、頼りにされる広報よこすかを目指して、日々改善してまいりたいと思います。ぜひ御期待をいただければと思います。 次に、本市が行っているSNSの内容に対する私の見解についてです。 SNSの特徴は、紙の媒体とは異なり、閲覧する対象は限定することなく、また、機動性・速報性に富んでいるというふうに考えています。 このような特徴を生かすためには、市として知ってほしいことを伝えるよりは、知りたい情報の代表例であるイベント情報など、わくわくするものが適しているものと思います。 であるならば、議員御指摘のように興味を引くように、少し遊び心のあるような内容を発信していくことも検討していきたいと考えます。 次に、SNSに市民の体験談等を掲載することにより、読む人の興味を引くような手法を取り入れることについてです。 ネット上の情報は、受け手の共感を得ることで、より拡散される効果があると考えます。また、市として発信する以上、好意的な声のみを集め、誇大広告と言われないよう取り組むことも必要です。 そのため、御提案のような口コミ情報をどのように扱うかについては、サービスごとにそれぞれの周知方法を考える中で検討すべきと思います。 次に、本市のツイッターにハッシュタグをつける必要性についてです。 本市では、広報課が所管する横須賀市公式ツイッターを初め、30アカウントを持っています。横須賀市公式ツイッターなどハッシュタグを活用せずに情報発信をしているアカウントもありますが、観光情報を発信しているここヨコなどでは、ハッシュタグを活用しているそうです。 ハッシュタグが多いツイッターは敬遠されるとの意見もありますので、どのアカウントで、何を発信するときにハッシュタグを使用することが有効なのか、個別に判断をしていきたいと思います。 次に、SNSを専門に行うチームの設置や写真の研修等、新たな取り組みを行う必要性についてです。 もはや広報は、広報課職員だけが担当する時代でないことは、私も議員と同意見です。今年度、市のイメージアップや認知度向上に向け、民間企業のノウハウや知見を取り入れた広報活動を展開するために、全部局から公募した熱意のある職員を対象に、外部講師を招いて研修を行っています。 その中で、SNSに特化した研修も行い、その有効性や発信手法等を全庁的に浸透させることも目指しています。 広報にたけた職員の育成は、私としても目指しているところですので、他都市の事例も参考にして、前向きに進めていきたいと考えます。
○議長(木下憲司) ここで休憩します。再開は午後1時15分とします。
--------------------------------------- 午後0時13分休憩 午後1時15分開議
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○議長(木下憲司) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行します。西郷宗範議員。
◆26番(西郷宗範) 市長、御答弁ありがとうございました。 まずはシビックプライドについてお聞きします。 会派の中でも少し議論になった部分がありまして、プライドというと自尊心と訳しがちの部分がありますけれども、今回伊藤教授の言葉をかりて、そのまま自負心とさせていただきました。その議論の中で一応調べてみると、自尊心は自分の人格を大切にする気持ち、また自分の思想や言動などに自信を持ち、ほかからの干渉を排除する態度、これがプライドという意味だそうで、自負心は自分の才能や仕事について自信を持ち、誇りに思う心ということです。恐らくシビックプライドは自分の才能や仕事というか、その市に自信を持って誇りに思うことを指しているのだと思いますけれども、市長が思うプライドというのは、どちらを想像されていましたでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 人間の生き方として、人に優しく、自分に肯定的であるということが一番正しい真理だと思っているのです。ただ、先ほども言ったように、差別だとか区別だとか、社会のシステムの中で自己卑下したように批判されたりという社会そのものは、私は間違いだと思う。どのような人でも、自分に肯定的である社会をつくっていきたい。 そういう社会をつくりたいということがまずあって、私も挫折が多かったのだけれども、横須賀市以外へ離れたときに、私は横須賀人のプライドを物すごく持っていて、どこへ行っても私は横須賀人だ、横須賀の上地だと言っていた。それはもうどのようなことがあっても圧倒的に肯定的に自分を判断して、さまざまなことがあったけれども、そういうふうに思うということが私は横須賀のプライドだと思っている。それは、横須賀市で生まれ育った環境や、育ててくれた親、地域も含めて、そういうものがプライドを醸成するものだと思っている。それは、肩書や地位だとか名誉だとかということではなくて、生きざまが、生きてきた環境も含めてそれがプライドだと思っている。 それが私にとってのプライドなので、シビックプライドという意味がいまだによくわからないのは、東京に行っても私は横須賀の上地だというふうに言ってきたから、それぞれが横須賀市で生まれて、横須賀市で終わっていくのだけれども、やはり個人の価値観の問題が大きいと思うのです。そこはいろいろな視点があるし、いろいろな考え方があるから、これをもってプライドだということが非常に難しい。だから横須賀市の潜在力を立ち上げて、いろいろな人に来てもらって、横須賀市の持っているポテンシャルを上げていく。それによってもう一度横須賀市というのを見直してもらいたいという思いがあって、本来個人的には非常に横須賀のプライドを持っているから、なぜプライドを持っていないのかわからない。そういうことが、私はプライドだと思っています。
○議長(木下憲司) 西郷議員。
◆26番(西郷宗範) 市長は前々からそう言われていますので、その辺は一緒の部分はあります。今回の質問はシビックプライドということで、いろいろ、ほぼ同じように絡んでくる部分なのですけれども、やはりそれぞれ横須賀市に誇りを持っているという中では、今度はそれを自負心として、自分が要は誇りを持っていることを他にも伝えていかなければいけないという意識を市民の方にも持っていただくべきだと思うのです。 そういった中で、このシビックプライドという言葉が生まれてきたのかと思いますけれども、これを市民の方に、要は外にどのようにして伝えていってもらうか。例えば我々もなかなか横須賀市のおいしいものをと言われると何だろうと悩んでしまう部分もあったりしますが、そういう何か誇りに思うものを、外に伝えていきやすいものをつくっていくことが必要かと思いますけれども、その辺に関しては市長いかがですか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 横須賀市の何を、どこを愛するかというのは、個々それぞれなのです。一応マーケティングの専門家としては、さまざまな視点からデータを出したことがあって、個別に関してどうだという、これが多分シビックランキングのとり方なのです。いろいろな項目があって、それはそれで必要かもしれないのですけれども、総合的にでは何がどうかということをこれから検討していかなくてはいけないかとは思っているのです。ただ、個々によって判断基準が違うから、何度も言うように、横須賀市を全体のパイを大きくして盛り上げて、日本の中の横須賀にしたい。そういうことで持ち上げながら、それぞれに判断してもらうというふうにでしかならない。ここに関しては日本一だから、だからプライドを持つとか、これはおいしいからとか、これが何とかだからという意味のプライドは、私は余り持たないので、そこは少しいろいろな手法を考えていかなくてはいけないのではないかというふうには思います。
○議長(木下憲司) 西郷議員。
◆26番(西郷宗範) 今回、YOMIKOの事例を1問目で言わせていただきましたけれども、よく横須賀市は、藤沢市と対比して言ったりしますが、藤沢市の場合、もう一つランキングでトップをとっているものがありまして、2014年に学研パブリッシングの主婦が幸せに暮らせる街ランキングというのでも1位をとっているのです。こちらは、暮らし、家族、お金、食事・健康、モノ・趣味という5つの指標で点数化されたものなのですけれども、ほかにいろいろな都市が上位にランキングされている中で、上位にランキングしている都市の共通点というのが、自然が身近、歴史がある、学校などが多い文教地区、交通アクセスがよい、ショッピングが充実している、ということだそうなのです。 これを見る限りでは、ほとんど横須賀市も該当するのかと。唯一若干おくれをとっているかというのは、ショッピングが充実しているというところで、特に隣に横浜市という大都市を抱えていると、その辺なのかというふうにも感じるのですけれども、市長は今のことに関して、どのように感じられますか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) 藤沢市の人の満足度というのは何をもって、何の比較かというのがよくわからないのだけれども、一応マーケティングをやっている人間からすると、質問に誘導できるから、比較したことがない人に、あなたは幸せですか、不幸せですかといったときという一般論になってしまうのです。 ただ、言えるのは、半島というのは御承知のとおり、基本的に、住みにくいのです。人件費が高い。それから、所得も低い。それから、経済的なパイも少ない。そうなっていかざるを得ない半島経済の中で、何をもってよしとするかということになると、今言ったような自然とかいろいろあるのだけれども、とりあえず経済のパイを広げる。観光で人を呼び込む。潜在的なポテンシャルを高めるために、いろいろな観光都市としての仕掛けづくりをするとかということで、持ち上げておいてからではないと、その中でそれぞれが何を感じるかにしないといけない。もちろん、今言ったように福祉の問題もあるだろうし、いろいろな問題があると思います。子育ての問題では、幼児教育の無償化も行っている。その中で、もう一度横須賀市の人たちが、かつてと違ってこういう状況になったときに、今どうなのだというふうにマーケティングをしなければ、私は答えは出ないのではないかと思っています。
○議長(木下憲司) 西郷議員。
◆26番(西郷宗範) 当然そういった部分もあると思いますし、今回の質問の中で広報の部分もさせていただきましたけれども、やはりプロモーションの仕方というのも必要だと思うのです。 今回質問をつくるに当たって、藤沢市のいいところとか、海老名市のいいところだとか、少し調べてみたら、市が発信しているものではないにしても、例えば不動産広告だとか、そういうのも見ると、例えば藤沢市であれば、サーフィンをするには最適の環境という表現がされていたりですとか、海老名市の場合で、公園がたくさんで、自然環境が豊かだと。当たり前のことのようですけれども、こういうキャッチフレーズをきちんとつくることによって、もっと横須賀市の魅力というのが伝わっていくかと思うのです。例えば、ウインドサーフィン・ワールドカップを開催していますというだけではなくて、最適の環境でこういったゲレンデでと、我々も常にそのようにして広報するように心がけていますけれども、やはり何かもっと訴えるものをつくっていく必要があると思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) それはおっしゃるとおりだと思っています。広報、宣伝の仕方がうまくないのです。やはり職員も優秀なのだけれども、いかに売り出していくかというか、人にどういうふうに見られるかとかということに余りたけていなくて、今の時代のマスメディアの使い方だとか、どこがいいかということに対して、どういうアプローチをしたらいいかというのがまだまだできていないのです。 ですから、先ほどお話ししたように、若手の職員を集めて、PRも含めてどのようにして宣伝していこうかというふうに考えています。これも例えば広告代理店に頼んでこうしようということも1つはあるかもしれないのだけれども、実は職員を育てていきたいので、若手も含めて研修を専門の人にしてもらって、そういうことを考えていきたいというふうに考えています。同じ認識であると思っています。ありがとうございます。
○議長(木下憲司) 西郷議員。
◆26番(西郷宗範) いろいろな研修などを踏まえて、特に広報はやはり他市よりも少しおくれているという印象を拭い切れませんので、ぜひ進めていただきたいと思います。 あわせて、音楽のまちということで、先ほど市長からもアーティスト同士をつなげるですとかのお話もありました。ああいったストリートライブですとやはり聖地的なもの、例えば、伊勢佐木町であれば、松坂屋の前といった、有名アーティストが出た場所ですとかがスポットになりがちですけれども、この横須賀市からそういう有名アーティストを出すような場所をつくっていかなければいけないかとは感じているのです。 当然、ストリートですから許可なしでは警察から注意を受けてしまうですとか、そういったこともありますけれども、例えば市でいつでもできるような場所を、当然市有地はなかなか町なかにないですから、民有地などと協議をして、そういった場所をつくるということも必要なのではないかと思うのです。具体的には例えば千葉県の柏駅前は、ルールを守っていれば路上ライブをしてもよいという場所があって、予約制にはなっているようなのですけれども、そういった取り組みをしている市町村もあるようなのです。そういった場所をつくってみたらどうかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○議長(木下憲司) 上地市長。
◎市長(上地克明) ストリートライブを行うミュージシャンが横須賀市以外ではすごく出ていて、仲間にはたくさんいるのだけれども、どうも育たない。みんな出ていってしまう。それはすごく悩んでいて、それも含めて取り組まなければいけないことだというふうに思っているのです。 せんだっても湘南出身の人間が出たり、逗子市でも出たりしました。横須賀市でストリートライブをしながら、ミュージシャンになって羽ばたくような人をぜひ育てたいというのも街なかミュージックの1つのやり方だというふうに思っているので、ぜひその辺も検討していきたいというふうに思っています。テーマなので、どうも音楽というと逗子市や葉山町、湘南、横浜市に最近負けてしまうのですが、どう考えても横須賀市が出発点だろうという思いは強くしているので、ぜひその辺も含めて考えていきたいと思っています。
○議長(木下憲司) 西郷議員。